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ソフトバンクが「スマホなんでもサポート号」でマイナンバーカード申請をサポート
2022年10月27日 00:00
ソフトバンクは2022年4月から移動型スマホ教室を開催している。「スマホなんでもサポート号」という車両を使って、10月現在、全国10地域13自治体で展開。車内にはタブレットを設置した机が3席あり「Zoom」を用いてオンラインでスマホの基本操作などを学べて、車内にいるスタッフが受講者をサポートする体制になっている。
この移動型スマホ教室が実施されている千葉県八街市で、「スマホなんでもサポート号」を用いた新しい取り組みが行われていると聞き、取材してきた。
移動型スマホ教室の車両が八街市役所に
10月17日から毎週月曜の11時~17時に、八街市役所前に「スマホなんでもサポート号」が停車され、車内でマイナンバーカードおよびマイナポイントの申請をサポートする。スマホを持っている人が対象で、申請のために市役所の窓口に訪れた人がスマホを持っている場合に、車内でも手続きを行えることが案内される仕組みだ。この取り組みは12月まで実施される。
車内でマイナンバーカードを申請する際に必要なものは、QRコードを読み取れるスマホのみ。スタッフの案内に従って、スマホでQRコードを読み取って申請サイトにアクセスし、必要事項を入力して申請できる。スタッフが代行するわけではなく、申請の手順を教えてくれるわけだ。申請には顔写真のアップロードが必要になるが、顔写真の撮影に使うアプリや撮り方も教えてもらえる。
すでにマイナンバーカードを持っていて、マイナポイントを申し込みたい場合は、スマホとマイナンバーカードが必要。公金受取口座を登録するには、口座情報も必要になる。また、マイナポイントを受け取るキャッシュレス決済サービスも決めておくのが望ましい。
筆者が訪れた10月24日は、16時までに13人が利用。9人がマイナンバーカードを申請し、4人がマイナポイントの申し込みを行なったとのこと。なお、車内で手続きを始めようとしたが、申請を完了できなかった人も4?5人いた。「Apple IDのパスワードを忘れて顔写真撮影用のアプリをインストールできない」「スマホがNFC非対応で、マイナンバーカードを読み取れない」など、理由はさまざまだったようだ。スマホで申請できなかった人は、再び市役所の窓口に案内され、他の方法で申請できるようにフォローされる。
ソフトバンク担当者が語る普段の「移動型スマホ教室」
ソフトバンクで移動型スマホ教室を担当する矢島昇氏は、ご自身の両親にスマホの使い方を教えたことをきっかけに、デジタルデバイドの問題に関心を持ち、自ら志願して担当になられたとのこと。
「ご高齢の方々はスマホの機能の10%も使っておらず、電話しか使えない人も多い。スマホで何ができるかを知らず、近くに教えてくれる人もいない状況です」(矢島氏)
移動型スマホ教室では、まだスマホを使っていない人がスマホを体験することができ、地図アプリやカメラ、スマホ決済の基礎知識などを教えているという。ソフトバンクが主催するものだが、利用している通信キャリアに関係なく参加でき、参加費は無料だ。
「1回だけではなく、何度も通ってくれる人が多く、聞きたいことを自由に聞ける個別の相談会に参加される方も増えています」(矢島氏)
自治体によっては業務効率化
ソフトバンクと連携して移動型スマホ教室に取り組んでいる八街市役所の飯田英二氏は、今回の取り組みが市役所の業務の効率化にもつながっているという。
「マイナポイントを取得するためや、健康保険証とマイナンバーカードの一体化の報道などを聞いて、市役所にマイナンバーカードの申請に訪れる人が増えています。窓口では待っていただく状況になったとしても、スマホをお持ちの方は車両に案内できるので、待ち時間の解消につながっています」(飯田氏)
利用された方からは「自分ひとりではできなかった」「ようやくマイナンバーカードを申請できてほっとした」という声が聞かれた。一方、「マイナポイントって何?」「どうすればもらえて、どこで使えるの?」と、マイナポイントの仕組み自体を理解していない人もいた。
国は、マイナンバーカードを全国民に交付を目指している。ソフトバンクが今回実施した取り組みは、ITリテラシーが高くない人にとって、大きな一助になりそうだ。