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京セラ創業者稲盛 和夫氏が死去、KDDI誕生などに尽力

 京セラは、同社創業者であり名誉会長の稲盛 和夫氏が、8月24日、老衰のため京都市内の自宅で逝去したことを発表した。享年90歳。

稲盛 和夫氏

 さまざまな功績を築いた稲盛氏は、現在の日本の通信サービス、ひいては携帯電話サービス市場を作り上げた第一人者でもある。

 1932年に鹿児島市で生まれ、1955年に鹿児島大学工学部を卒業。1959年4月に京都セラミック(現京セラ)を設立し、1997年から取締役名誉会長を務めた。

 1984年には、電気通信事業の自由化に即応して、KDDIの前身会社のひとつ第二電電企画(のちのDDI)を設立。2000年10月にDDIとKDD、IDOの合併によりディーディーアイ(現KDDI)を設立し、取締役名誉会長に就任、2001年6月に最高顧問に就任した。

 携帯業界以外では、2010年2月に日本航空(JAL)会長に就任しJAL再建に尽力。2015年4月に名誉顧問となった。また、経営者の育成を図る経営塾「盛和塾」の塾長や、稲盛財団の設立などに携わった。

 稲盛氏逝去について、KDDIはコメントを発表。

 代表取締役会長 田中 孝司氏は、2000年の3社合併について「稲盛 和夫最高顧問の『真に国民のための通信サービスを提供しよう』という新たな大きな志が導いたもの」とコメント。

 代表取締役社長 髙橋 誠氏も「稲盛 氏の遺志を継承する全社員が一丸となって、『豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献』できるよう、邁進していく」としている。

KDDI田中会長と髙橋社長のコメント

代表取締役会長 田中 孝司氏:

 弊社 稲盛 和夫最高顧問のご逝去に接し、心より哀悼の意を捧げます。

 2000年の3社合併は、小異を捨て大同団結することで、かつてない歴史的な業界再編に至りました。これは稲盛 和夫最高顧問の「真に国民のための通信サービスを提供しよう」という新たな大きな志が導いたものと思っています。

 その後も折に触れ、「人間として何が正しいか」を座標軸に据えた経営哲学の教えを受けたことは、私にとって、KDDIにとって、かけがえのない財産であり、今後もその遺志をKDDIグループ全体で継承し、更なる発展に繋げていかなければならないと思っております。

 稲盛 和夫最高顧問の多大なる貢献と功績にあらためて感謝申し上げます。

代表取締役社長 髙橋 誠氏:

 弊社 稲盛 和夫最高顧問は、弊社社是に掲げております「心を高める~動機善なりや、私心なかりしか~」を自らに問い続け、世のため人のために尽くそうという純粋な気持ちで弊社の前身であるDDI(第二電電)を創業し、その後2000年のDDI、KDD、IDOの三社合併、事業の発展に尽力されました。また、稲盛 和夫最高顧問の経営哲学がしたためられた「KDDIフィロソフィ」は現在も弊社の礎になっています。

 稲盛 和夫最高顧問の遺志を継承する全社員が一丸となって、経営理念にも謳っている「豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献」できるよう、邁進していく所存です。

 ここにご逝去を悼み、謹んでご冥福をお祈りいたします。

 後日、お別れの会が開かれるとしている。