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「Android 13」正式版が登場、Pixelシリーズへ配信開始

 16日(日本時間)、Androidの最新バージョンとなる「Android 13」がAndroid Open Source Project(AOSP)向けに公開され、正式版としてリリースされた。Pixelシリーズには本日から提供が開始されており、2022年後半にはさまざまなメーカーのスマートフォン向けに提供される。

 Android開発者向けブログによれば、サムスンの「Galaxy」シリーズのほか、Asus、HMD(Nokia)、iQOO、モトローラ、OnePlus、OPPO、Realme、シャープ、ソニー、Tecno、vivo、シャオミといったメーカーのスマートフォンで、2022年後半にAndroid 13が登場すると案内されている。

テーマ別アプリアイコン

 Android 13の新機能のひとつは、「テーマ別のアプリアイコン」。Android 12で導入されたデザイン「Material You」は、グーグルのアプリアイコン向けとなっていたが、Android 13ではすべてのアプリアイコンに拡張される。

 待受画像(壁紙)やテーマ設定にあわせたアイコンを選べるようになる。

アプリごとの言語設定

 Androidでは設定メニューで、どの言語で表示するか選べる。Android 13ではその機能が拡張され、システムで設定した言語と別に、アプリごとに使いたい言語を、より簡単に選べるようになる。

 対応アプリでは、「アプリ言語」設定メニューが用意される。

テキスト関連の改善

 テキスト変換APIで、日本語や中国語などの表音文字を入力する際、検索とオートコンプリート(自動補完)が高速化される。

 またタミル語、チベット語などの非ラテン文字の行の高さが改善される。

カラーのベクターフォント

 グーグルやマイクロソフトなどによって開発されたベクターフォント規格の「COLR」バージョン1がサポートされる。

 さまざまなフォントサイズで、スピーディかつ鮮明にフォントがレンダリングされる。

COLRv1のベクター絵文字(左)とビットマップの絵文字(右)

メディアプレイヤーの進化

 Android 13のメディアプレーヤー機能は、聴いている音楽やポッドキャストに応じて、そのルックアンドフィールが変化する。たとえば音楽を再生すると、アルバムのアートワークが表示され、再生バーは波打つように動く。

健康関連の機能

 Android 13では、待受画像(壁紙)の調光やダークテーマを用いて、就寝モードをカスタマイズできる。

 グーグルでは、就寝時に目を暗い環境に順応させるのに役立つとしており、もし目が覚めてスマートフォンをチェックしても、眠りを妨げないという。

Bluetooth LE Audioのサポート

 7月にリリースされたBluetoothの音楽関連規格である「LE Audio(LE Audio)」がサポートされる。

 バッテリー消費を抑えることが大きな特徴となる。

 またAndroid 13では、USB経由でMIDI 2.0のハードウェアに対応できる。

空間オーディオ

 ヘッドトラッキング対応のヘッドホンと組み合わせて使うことで、Android 13ではより没入感のある音楽聴取体験を味わえる。

タブレット向けの仕様

 大画面向けに開発された「Android 12L」をさらに拡張し、マルチタスク、タスクバー、大画面に対応したレイアウト、アプリ互換性モードの改善などが含まれる。

 ペンと手の操作が別々のタッチ操作として登録できる。タブレットでペン操作しているときに、手を画面に置いた際に生じる痕跡を減らせるという。

 またAndroid 13のスマートフォンからURLや画像、テキスト、動画などのコンテンツをコピーすると、タブレットへ貼り付ける、あるいはタブレットからスマートフォンへコピーするといったことができるようになる。

フォトピッカー

 ユーザーのプライバシーを保ちつつ、利便性に影響を与えないしくみとして、Android 13を契機に「フォトピッカー」が導入される。

 Androidで、これまで導入されていた「ドキュメントピッカー」を拡張した仕様で、ユーザーが特定の写真や動画をアプリへ簡単に共有できるようにする。

 これまでアプリがAndroid端末内の写真や動画を扱うためには、メディアファイルへアクセスするための権限が必要だったが、「フォトピッカー」により、アプリへ「端末内の全てのメディアファイルへの閲覧権」を渡さずとも、アプリが写真や動画を扱えるようにする。

クリップボードの自動消去

 メールアドレス、電話番号、ログインアカウントの情報などをコピーすると、一定期間後、クリップボード(コピーした情報が保持される機能)の履歴が自動的に消去される。

通知許可に関する改善

 新たにAndroid 13では「新しい通知ランタイム許可」が導入される。

 アプリが通知する前に、ユーザーに許可を求めるしくみという。

Nearby device permission for Wi-Fi

 「Nearby device permission for Wi-Fi」は、Wi-Fiを介して、位置情報を使わずに、アプリがWi-Fi経由で近くのデバイスを検出、接続できるようになる。