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「SA方式のミリ波で8Gbps越え」、クアルコムが最新モデム「X70」の性能アピール

 米クアルコム・テクノロジーズ(Qualcomm Technologies)は、同社が開催した5Gサミットにおいて、5G対応の最新モデム「Snapdragon X70 5G Modem-RF System」の新機能や、テスト環境におけるパフォーマンスを明かした。

「Qualcomm Smart Transmit 3.0」

 「Snapdragon X70 5G Modem-RF System」では、「Qualcomm Smart Transmit」を3.0にアップグレードし、新たにWi-FiとBluetooth通信を同技術のサポート対象とする。

「Qualcomm Smart Transmit 3.0」

 同技術は、2Gからミリ波を含めた5Gまでのモバイル通信、Wi-Fi(2.4GHz/6/6E/7)、Bluetoothの出力をリアルタイムに管理し、上り通信のスループットとカバレッジを拡大するほか、端末の電力効率も改善する。

世界初の「ミリ波でSA方式」、ピーク速度は下り最大8Gbps越え

 サンディエゴにあるクアルコム・テクノロジーズのテストラボでは、Keysight社の5Gプロトコル研究・開発ツールと、Snapdragon X70を搭載するテストデバイスを用いて、世界初となる5Gミリ波でのスタンドアロン(SA)方式での接続に成功した。

 同テストでは、ピーク時の通信速度が下り8Gpbsを超えた。

ミリ波帯(n258)の100MHz幅×8で8.3Gbpsを記録

 SA方式のミリ波帯によって、Sub-6以下の周波数をアンカーバンドとして使用せずに、ミリ波帯の5Gネットワークを構築できる。

 これにより、通信事業者はより柔軟に住宅などに固定無線アクセス(Fixed Wireless Access)サービスを展開しやすくなる。

Sub-6 CAでは下り6Gpbsを記録

 このほか、Sub-6の周波数でも、3つのTDD周波数帯をキャリアアグリゲーション(CA)で束ねることで、下り最大6Gpbsを記録した。

Sub-6 CAで下り6Gbpsを記録

 クアルコム・テクノロジーズによると、5G CAによる効果として、ピーク速度の高速化のほかにも、携帯電話基地局から遠く離れたセルエッジなどの環境下でも、平均速度の向上と繋がりやすさを改善するという。

 Snapdragon X70は、端末ベンダーにサンプル出荷が行われており、Snapdragon X70を搭載した製品は2022年後半に発売される見込み。