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MVNOによる「5G SA」は「MNOから情報待ち」で検討ストップ中、総務省会合の資料で明らかに

 総務省は、「接続料の算定等に関する研究会」の第56回を4月6日に開催した。

 同会議で、テレコムサービス協会MVNO委員会が、同協会に参加するMVNOに実施した、5G SA方式に関するMNOとの協議状況などに関するアンケートの結果を公表した。

 同委員会では、MVNOが5G SA方式のサービス導入に関して、L3接続相当(サービス卸)、ライトVMNO(スライス卸/API開放)、L2接続相当、フルVMNO(RANシェアリング)の4つの提供形態に分類し、現時点での協議の申し入れまたは協議の成立に至っていない理由や背景、サービス実現に向けた具体的な課題についてアンケートを行った。

5G SAサービスの機能開放形態
  • L3接続相当(サービス卸)
  • ライトVMNO(スライス卸/API開放)
  • L2接続相当
  • フルVMNO(RANシェアリング)

機能開放形態ごとの協議状況など

 アンケートに回答したMVNOは、「ライトVMNO」、「L2接続相当」、「フルVMNO」の機能開放を主軸にサービスの検討を進めている。

 これらの機能開放形態については、MNOからの情報提供待ちであり、現時点で具体的なMNOから情報提供がなく、MVNOにおける検討が進んでいないという。

 一方、「L3接続相当(サービス卸)」での開放形態では、MVNOが自由にサービスを生み出すことが困難などの理由で、提供を検討していないMVNOが多かった。また、1次MVNOでの検討に時間を要しているため、2次MVNOに情報提供ができていないなどの課題もみられた。

同時期・同機能提供

 MNOとMVNOが同じ時期に、同じ機能を提供できるようにするための「同時期・同機能提供」に関連するアンケートでは、L3接続相当(サービス卸)」での開放形態に関する情報提供があった。

 その他の開放形態については、標準化がまだ完了していないなどの理由でMNOからの情報提供はなく、これらの開放形態の同時期・同機能提供については、極めて不透明であるとまとめている。

その他の機能

 MNOから、「L3接続相当(サービス卸)」での開放形態に関する情報提供とあわせて、「既存LTEとの活用」および「音声通話の実現方法」に関する概要の情報提供がなされたという回答がMVNOからされた。

 一方で、その詳細説明や「MECの活用・連携」に関する情報の提供は行われていない。