ニュース

「ドコモ×メルカリ」のコンセプトストアがオープン、ドコモショップ吉祥寺店を見てきた

ドコモショップ吉祥寺店

 NTTドコモとメルカリは、「ドコモ・メルカリコンセプトストア」に関する実証実験を、2月25日に開始した。

 期間は8月31日までで、関東・東海エリアのドコモショップ5店舗で順次実施される。対象の店舗では、「メルカリ」出品者向けの撮影ブースなどが店内に設けられるほか、スタッフがアプリ設定のサポートも行う。

 今回は対象店舗のひとつであるドコモショップ吉祥寺店を訪問し、店内の見学とあわせて担当者の話も聞いた。

写真左:ドコモ 営業本部 チャネルビジネス部 ブランドショップ担当 塚本健太氏、写真右:同 ブランドショップ担当課長 岩城雅洋氏

吉祥寺店の様子

 吉祥寺店では、店内の一角に“メルカリコーナー”と呼べるようなコーナーが設けられている。

 ここでは商品発送用の「メルカリポスト」を利用できるほか、梱包代行(有料)なども申し込めるようになっており、スムーズな梱包・発送が実現する。

店内のコーナーは、まさにメルカリ一色といった印象だ
店内の写真
「メルカリポスト」
梱包代行を申し込める
ノベルティのプレゼントなども実施

 吉祥寺店での実証実験は2月25日にスタート。同店におけるメルカリ関連サービスの利用者数は、一日平均で12~13人程度だという。

梱包資材の販売に加え、出品用の撮影ができるブースも設置

“メルカリ案内人”によるサポートも

 また、「そもそもメルカリの使い方がよくわからない」といった利用者の声に応えるべく、“メルカリ案内人”として専門のスタッフを配置。

 スタッフが初期設定の方法などを案内し、アプリの使い方に不安を抱えているユーザーをサポートする。

専門のスタッフが「メルカリ」の登録方法などを案内する

 現在の“メルカリ案内人”は、メルカリから派遣されているスタッフだが、今後はドコモショップのスタッフへの引き継ぎも視野に入れる。

 実証実験終了までのおよそ6カ月間のうち、最初の2~3カ月間はメルカリからのスタッフに案内を任せるかたち。その後の期間でドコモショップのスタッフへ引き継いでいき、サービスの自走化に関する検証を行う。

専門スタッフによる「メルカリ」登録のサポートを受けると、「メルカリ入門キット」が進呈される

リアル店舗への来客増を図る

 ドコモとメルカリは、2020年2月に業務提携に合意。両者は、ドコモショップで「メルカリ」の使い方を学べる「メルカリ教室」などを展開してきた。

 当初は実験的な位置づけでスタートした「メルカリ教室」も、2021年10月時点で実施店舗が1000店舗を突破。

 同教室はシニア層を中心に人気を博しており、吉祥寺店でも3月分がすでに満席に。同店では今後、利用客の動向を踏まえながら開催数を増やしていく考えもあるという。

吉祥寺店での「メルカリ教室」は、3月分がすでに満席となっていた

 こうした流れのなか、利用客の多さやロケーションなどを基準に選ばれた対象店舗で、今回の実証実験がスタートした。

 ドコモが実験を実施する背景のひとつが、「リアル店舗への来客数増加」だ。「メルカリ」をトリガーとして顧客との接点を増やし、ドコモ以外のユーザーも含めた来客数の増加を図る。

 そのうえで、希望する利用客に対しては、ドコモの携帯サービスはもちろん、「ドコモでんき」をはじめとした各種サービスなども紹介。自社サービスの顧客獲得につなげていく。

対象店舗に来店し、アンケートに回答することで進呈されるノベルティグッズ(左:飲料水、右:ボックスティッシュ)

今後の展開

 実証実験の対象店舗5店舗のうち、最も早く実験がスタートしたドコモショップ吉祥寺店。

 4月には、神奈川県内の3店舗で同様の実験が始まる。吉祥寺店の実験で得られた利用客のフィードバックは、今後の実験におけるサービス改善などに役立てられる。

 また、吉祥寺店の店頭看板も3月下旬に増設される見込みで、視認性アップによってさらなる来客数の増加を図る。

 ドコモでは、「実証実験の期間は8月までだが、今後は利用客のニーズも踏まえて、(コンセプトストアの)全国への拡大を検討したい」としている。

吉祥寺店の店頭。3月下旬に看板などを増やし、視認性アップを図る