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爆速充電技術やCPE、飛び出すカメラを披露したOPPO、Find X5 Proの実機も

 OPPOは、MWC Barcelonaに合わせて、最大150Wの急速充電技術「150W SuperVOOC with BHE」や、5G対応のCPE「OPPO 5G CPE T2」を発表した。

 また、カメラ関連でも新技術を出展。背面のカメラがせり出すことで、大型センサーと52mmの画角を両立させる技術や、ディスプレイ下にカメラを搭載する技術などを紹介していた。

 商用端末では、24日に発表されたばかりのフラッグシップモデル「OPPO Find X5 Pro」などを展示している。

Find X5 Proなどの製品に加え、今後、商用化する予定の技術を披露していたOPPO

爆速充電、150WのSuperVOOC with BHE

 150WのSuperVOOC with BHEは、最大150Wでの超高速な充電とバッテリー寿命を延ばすことを両立させた技術。現時点ではあくまで開発中とのことで、商用モデルには搭載されていないが、22年後半に「OnePlus」ブランドで採用される予定だという。MWCでの展示では、その速さを確認することができた。

最大150Wで充電が可能なSuperVOOC。22年後半にOnePlusブランドの端末から採用していくという

 仕様上は、4500mAhのバッテリーをわずか15分で最大まで充電することができる。

 この技術に対応した試作のスマートフォンにケーブルを挿したところ、画面上にバッテリー残量が出現。数値は、約10秒ごとに1%ずつ上がっていった。

 ただし、常に150Wで充電されているわけではなく、測定器には100~110W前後の数値が表示されていた。展示されていた端末は、バッテリー残量が50%弱あったため、徐々に電力を落としていたようだ。

150WのSuperVOOCで充電していることが画面上にも表示される

 充電中の様子を見てみると、速度をアピールするためか、残量表示は小数点第2位まで表示されている。15分で4500mAhを満充電まで持っていけるため、出かける前に充電を忘れていたことに気づいたようなときでも安心できそうだ。

約1秒ごとに0.1%ずつ充電されていることが分かる

5G対応の「CPE T2」

 5G対応CPEのT2は、会期初日の午前中には展示されていなかったが、ブースの説明員によると、「中国からの到着が間に合わなかった」という。夕方から翌朝までには届くとのことで、改めて初日の夕方にブースを訪れてみたところ、到着直後のT2が展示されいた。

 「T2」は、モデムにクアルコムの「Snapdragon X62 5Gモデム」を採用。上部のデザインはメビウスの輪をモチーフにしており、8つのアンテナから自動で4つを選択する機能などに対応する。

5G対応の最新CPE、OPPO 5G CPE T2
どことなく、加湿器や空気清浄機のようにも見えるが、上部のデザインはメビウスの輪をモチーフにしているという

 背面には、2つのLANポート(片方はWANも兼ねる)のほか、電話を接続するためのポートも搭載されていた。Wi-Fiをワンタッチで接続するWPSボタンも備える。発売は22年後半を予定しているとのこと。

 同社のCPEは、ソフトバンクがSoftBank Air用に「Airターミナル5」を採用しているが、T2に関しても日本での展開をキャリアと協議しているようだ。

背面にはLANポートや電話用の端子を備える

スマホカメラの新技術「リトラクティブカメラ」、日本で研究

 OPPOのブースには、カメラの新技術も展示されていた。

 その1つが、「OPPO Retractable Camera」。センサーは1/1.56インチのソニー製「IMX766」で、焦点距離は35mm判換算で52mmとなる。センサーサイズが大型化すると、厚みが増してしまったり、レンズの歪みが大きくなったりするが、Retractable Cameraは、カメラ自体を動かすことでその問題を解決しているという。撮影時のみ、カメラが本体からせり出してくる仕掛けだ。

撮影時のみ、カメラが伸びる仕掛けで、センサーの大型化と光学性能のよさを両立させる

 この仕組みを採用することで、カメラが出っ張りすぎることなく、35mmで比較的大型のセンサーを搭載できたという。F2.4のレンズで生み出した自然なボケに、ソフトウェア処理を加えて背景をボカすといったことも想定しているようだ。

 カメラ部分が機械的に飛び出す仕組みだが、防水にも対応しているという。

 なお、この技術は、神奈川県・横浜市にあるOPPOの研究所で開発されたもの。イメージセンサーや光学に強い日本で、こうした研究・開発を行っているという。

1/1.56インチのセンサーを搭載し、F2.4と比較的明るいため、キレイなボケ味を生み出せるという

どこにあるかわからない、ディスプレイ下に内蔵されるインカメラ

 もう1つが、ディスプレイ下に内蔵したインカメラだ。これは、ノッチやピンホールなどの“穴”や“切り欠き”を排して、映像が欠けないようにするための技術。複数メーカーの商用モデルで、ディスプレイ下のインカメラは採用されているが、OPPOが展示していたものは、カメラがしっかり隠れていた。強い光を当てないと、どこにカメラがあるかが分からないほどだ。

ディスプレイ下にインカメラを搭載。強い光を当てないと、カメラがどこにあるのかが分からない

 ディスプレイ側のカメラ部のピクセルサイズを小さくしたり、AIを駆使して画像を補正したりすることで、画質が劣化しやすいディスプレイ下インカメラの問題点を克服しているという。

発表されたばかりの「Find X5 Pro」も

 商用モデルは、24日に発表されたばかりのFind X5 Proが注目を集めていた。同モデルは、老舗カメラメーカーのハッセルブラッドと共同で開発したカメラを搭載。OPPOが独自開発したNPUの「MariSilicon X」も内蔵しており、AI処理でカメラ性能を大幅に向上させているのが特徴だ。

発表されたばかりのFind X5 Proを出展

 たとえば、以下の写真は、暗所での動画撮影をしている際の様子だ。4Kの解像度で、リアルタイムに暗い被写体を明るく画面に映し出していることが分かる。肉眼では、端末の周りのような明るさだったが、画面内は明かりがない場所も含めて、クッキリと写っており、ノイズも少ない。動画撮影中に、リアルタイムで処理をしてプレビューできるのは、MariSilicon Xの力によるものだ。

照明を落とした暗い部屋でも、動画撮影時のプレビューはご覧のとおり。これがMariSilicon Xの力だ

 Find Xシリーズは、KDDIがauブランドで「Find X2 Pro」や「Find X3 Pro」を採用しているほか、Find X3 ProはOPPO自身もメーカーモデルを投入してきた経緯がある。日本での発売予定は明かされていないが、今後の展開にも期待したい。