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IIJ、22年第2四半期決算は売上高1656億円――ギガプランが好調、勝氏「将来原価方式は続けてほしい」

左から専務取締役 CFOの渡井 昭久氏、代表取締役社長の勝 栄二郎氏、代表取締役会長の鈴木 幸一氏

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は2022年3月期の第3四半期決算を発表した。売上高は前年同期比6%増の1656億円、営業利益は同60.9%増の163億円となった。

 本稿では、モバイル事業を中心に取り上げる。

接続料の減少は続く見通し

 法人と個人のモバイル事業について、第3四半期末時点の総回線数は337.5万回線(前期比+9.3万回線)で、個人モバイル回線数は107.3万回線(同+0.1万回線)となった。このうちギガプランの回線数は60.7万回線(同+5.1万回線)で34%は新規ユーザーだったという。

IIJmioギガプラン回線数推移
  • 第3四半期末:60.7万(うち新規約34%)
  • 第2四半期末:55.6万(同約30%)
  • 第1四半期末:46.2万(同約17%)

 IIJmioの好調の理由を問われた代表取締役社長の勝 栄二郎氏は、「お客様に受け入れられるようなサービスの水準が高く、値段も値ごろ感がいいということ、そして我々の客層が直接ネットや量販店で購入される方が多いと考え、常に販路の拡大に努めているところ」と回答した。

 売上高の推移をみると、IIJmioなどが主な個人向けインターネット接続サービスは累計で177.8億円と前年比で-8.3%となった。回線数は増加したものの、ARPU減少による影響が続いたかたちとなった。

 また、MVNEの売上は76.2億円と前年比-39.2%となった。こちらは、顧客だったMVNOがMNOへ吸収され順次MNOへの移行が進んでいることが影響しているという。

 なお、原価となるMNOの接続料について「12月で単価が確定し、(中略)将来原価で出されていた数字よりも下がった数字が出た」(専務取締役 CFOの渡井 昭久氏)とし、10億円強の戻りが発生した。2020年度のドコモへの接続料単価は、前年比-12.7%で確定し、費用減に貢献したとしている。

将来原価方式について勝氏「守っていただきたい」

代表取締役社長の勝 栄二郎氏

 この将来原価方式は、「MNO側が合理的な予測に基づいた接続料を算出しMVNOに提示、翌年度に差分があれ調整する」原価算出方法。従来の実績原価方式(前々年度実績の単価で算定し、翌年度末に単価が最終決定される方法)と比べ、MVNO側の予見性が向上する算出方法となる。

 勝氏は、携帯電話料金の見通しを問われると「将来原価方式は導入されたばかりだが、ぜひ守っていただきたい。DX時代となりトラフィックが非常に増えてきているので、(接続料などの)料金が下がることが当たり前に見えている」とコメントした。