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7日夜の首都圏震度5強でシェアサイクルの利用「3倍」に

 7日夜、首都圏で最大震度5強となる地震が発生した。そうした中、公共交通機関が一時止まった影響で、シェアサイクルの利用が急増したという。

 東京都内で自治体とともにシェアサイクルサービスの運用を担うドコモ・バイクシェアによれば、「都心部の車両は、ほぼ出払う状態となった」と説明。同社では、帰宅困難者が利用したと分析している。

筆者が8日早朝に確認したドコモ・バイクシェアアプリでの各ポートの状況

 ソフトバンク系で「HELLO CYCLING」を提供するOpenStreetによれば、普段の利用は朝と夜、通勤・通学と見られる時間帯に利用が多く。夜は20時をピークに利用が減る。しかし7日夜は地震発生後に利用が急増し、通常の約3倍まで利用数が増えた。さらに翌8日朝の利用も、通常の1.5倍に増えた。

HELLO CYCLINGの利用状況

災害時の自転車移動、落ち着いてから

 東京23区で震度5強を記録したのは、2011年の東日本大震災以来とのことだが、シェアサイクルの普及度合いは、当時と大きく異なるところ。

 政府や東京都などでは、大規模災害発生時の帰宅困難者への対策を進めており、その方針なども示している。そこでうたわれる内容としては、公共交通機関が止まった場合、身の安全を確保できることを優先することが掲げられている。たとえばオフィスに留まることもあれば、帰宅困難者を受け入れる大規模施設への移動を勧めるといった形だ。

 たとえばOpenStreetはサービス利用前に会員登録して自転車を予約すること、乗車前に自転車に不具合がないか確認し、「交通ルールを守って」とコメント。

 ドコモ・バイクシェアも、過去には歩行者が歩道から車道へはみ出るような状況も発生したことがある、として災害時の自転車利用には、混乱を助長する可能性がある、と解説。災害時にユーザーへの支援が必要として、今後、混乱や危険性を助長しない形での対応策を検討したいとしている。

 行政からの案内、そしてシェアサイクル事業者からの説明を踏まえると、当然のことながら災害直後にあわてて移動するより、まずは安全を確保し、ある程度周囲の状況が落ち着いてからの移動という流れにしたほうが良さそうだ。