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ソフトバンク榛葉副社長、顔認証ソリューションについて「顔パス決済できるくらいの意気込みで挑戦していく」

ソフトバンク副社長兼COOの榛葉 淳氏

 ソフトバンク副社長兼COOの榛葉 淳氏は、9月30日に顔認証ソリューションを活用した新たなスポーツ観戦体験の実証実験中の沖縄アリーナ(沖縄県沖縄市)に姿を見せ、記者からの質問に応えた。

――今回の顔認証ソリューションを手がける意義は?

榛葉氏
 私ども、「ソフトバンクホークス」や「B.LEAGUE」、「D.LEAGUE」(ダンスのプロリーグ)とかそういったところにいろいろ力を入れて、スポーツの中で我々のテクノロジーを活用することをずっと挑戦してきました。

 特に「B.LEAGUE」さんは、日本のバスケットボールのプロリーグ創設時からパートナーとして取り組ませていただいて、実は今までもいろんな取り組みを、一緒にさせていただきました。

 今回の顔認証ソリューションは、非接触でお客様がシームレスに交通機関利用されるところから、その中のアクティビティで、またお帰りになるということを一気通貫で体験できるもので、我々の顔認証テクノロジーの実践の場となりました。

 今回の実証実験では、一番にまず今日来場いただく方々が喜んでいただき、何を望まれているか、いろいろな意見をいただけると思っておりますが、そういった声をまず吸収して蓄積したいということで、法人向けの事業でありながら、(榛葉氏が担当する)コンシューマー部隊と連携しながら取り組んでいます。

――コンシューマー事業へのシナジー効果なども期待されている?

榛葉氏
 そうですね。特にファンの方々、スポーツをすごく愛している方々に向けて、ソフトバンクは新しいテクノロジーに常に挑戦し続け、それを利用することで「ソフトバンクユーザーだと便利になったり、楽しかったりお得になる」ということ(をアピールしたい)。

 会場では、PayPayが使えたり、グループのシナジーというか、ソフトバンク経済圏みたいなものをユーザーの方に体験していただいて「ソフトバンクいいな」ということにつながっていけばいいなと思います。

会場では、PayPay決済で50%還元キャンペーンが実施されていた

――今回の顔認証ソリューションでは、決済とも融合していきたいということだったが

榛葉氏
 顔認証で決済まで完結するには、いろんなステップがあり時間がかかると思います。しばらくはPayPayでスマートフォンを取り出して決済という形になるが、それで終わりではなく、顔認証というテクノロジーをどんどん極めていったら、一番難しいレイヤー(階層)かもしれませんが、決済まで挑戦できるくらいの思いを持って取り組んでいきたいです。

 (新しいテクノロジーの導入で)制約が増えるのではなく、安心安全で今までできなかったことができるようになったり、ちょっと新しい経験ができたりということや、お客様の購買データなどを元にマーケティングに生かしたりということにつながっていくのではと思います。

――さまざまな認証手段があるなかで、なぜ顔認証を選んだのか?

榛葉氏
 お客様のなかにはお子さんやシニアの方もいらっしゃる中で、顔認証は抵抗なく入っていただけるんじゃないかというところや、将来に向けて広げていくときに、顔認証だと広がりが持てるんじゃないかと思います。

 当然、いろいろな課題が多々あると思います。それゆえに、実証実験を重ねて挑戦しつづけています。

顔認証ソリューション

――実験がスムーズにいけば、スマートフォンなしでさまざまなことができるようになると思うが、脱スマホ依存になるのでは?

榛葉氏
 「脱」スマホというのは、あまりイメージしていません。たとえば、今回の実証実験でも、チケットはスマートフォンで購入しますし、お客様ご自身の顔を登録するには、スマートフォンやタブレットがなければいけません。

 実証実験の範囲を広げていくと、会場内での買い物の決済などでつかっていただけるようになりますが、顔認証がすぐに使えない場合には、やっぱりスマートフォンでPayPayを使っていただくなど、スマートフォンと顔認証はしばらく融合しながらやっていくことになると思います。

 このほかにも、試合会場で「選手が今どれくらい走ってる」とか、「シュートの成功率」とかリアルタイムでスマートフォンで確認しながら楽しめる、そういった意味で平行していけるのではと思っています。

「iPhone 13」シリーズは「絶好調」

 榛葉 淳氏は、発売されたばかりの「iPhone 13」シリーズや、KDDIのオンライン専用料金プラン「povo2.0」についても応えた。

――「iPhone 13」シリーズが発売されましたが、売れ行きは?

榛葉氏
 お陰様で絶好調。

 心配していた半導体ですが、ご存じのように、今回数年ぶりに一回で全モデルがリリースしてくれましたし、もちろんバラツキがありますけど、店頭でも在庫を潤沢に近い形でお届けできるということで、これからもっと、もっと売れてくるんじゃないかと。

――今回、SIMロックをかけない形での販売だが、影響はあるか?

榛葉氏
 いまのところ、そんなにないと聞いています。

――競合他社から基本料金0円のプランが出ましたが、受け止めは?

榛葉氏
 常にいろいろ検討しております。また、いろんなところを見ながら判断して行きたいと思います。

 非常に厳しい競争があり、いい意味で「健全な業界」ですから、常に状況を見ながら、お客様の声を伺って判断して行きたいというふうに思います。

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