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楽天モバイルが5G SAのデータ通信テストに成功、SA機能も商用ネットワークに

 楽天モバイルは、東京工業大学の協力のもと、東工大の大岡山キャンパスで5G SA(Stand Alone)方式のデータ通信について、実証実験に成功した。6月24日には、商用ネットワークに5G SA機能が導入済みという。

 現在の5Gサービスは、4Gのコアネットワークの設備も使うことから「NSA(Non Stand Alone)」と呼ばれる。一方、今後、携帯各社が導入するSA方式は、無線通信~コアネットワークまで全て5Gの技術で構成される。こうしたことから、SA方式は「真の5G」と呼ばれることもある。

NSAとSAの違い

 今回、楽天モバイルでは、SA対応デバイスとSA対応ネットワークを組み合わせたデータ通信のテストを実施。SA対応デバイスは非売品のもの。SA機能は6月24日付けで楽天モバイルの商用ネットワークの一部で導入されたとのことだが、これは総務省に提出した計画に沿ったアクションであり、SA方式のサービス開始は今後という。

クラウドネイティブのネットワークで

 東工大の大岡山キャンパスで実施されたテストは、「Rakuten Communications Platform」(RCP)と名付けられた、同社のクラウドネイティブなコアネットワークを用いている。

 無線ネットワークでは、分散ユニット(vDU)がIPネットワーク経由で集約ユニット(vCU)に接続。vDUとvCUの構成は、既存の5G NSA方式でもすでにコンテナ(OS上で仮想的に設けられた分離・独立したスペース)化済み。

 また5G SAのコアネットワークはマイクロサービス(機能ごとに細かく分割、稼働するようにしたもの)技術で設計され、今回、新たにコンテナ化されている。

 同社ではかねてより、完全仮想化のネットワーク技術をアピールポイントのひとつとしており、今回もネットワークの隅々までクラウドネイティブで稼働する5G SAでのデータ通信テストが成功したことも、今回の実証の意義のひとつとしている。

 今後は、5G SA方式のもとで、ネットワークスライシングやエッジコンピューティングなどの動作検証が進められる。