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KDDIと豊岡市、5G活用の文化・芸術創出プロジェクトを開始、KIACに5G基地局設置
2020年12月22日 15:29
KDDIと豊岡市は5Gを活用して文化・芸術の創出プロジェクトを構築した。これに伴い、豊岡市の城崎国際アートセンター(KIAC)においてau 5G基地局を開局した
豊岡市では「小さな世界都市」というワードを掲げて芸術文化に注力した街づくりに注力してきた。豊岡市 市長の中貝宗治氏は、今回の5G基地局開局について「心から感謝を申し上げたい」とコメント。前述の「小さな世界都市」を実現するためのエンジンとしてインバウンド促進、豊かな環境づくり、演劇のまちづくりの3つの項目を掲げる。
芸術の拠点、5G活用でテレワークオフィスにも
KDDIと同市は2016年に地域活性化を目的とした包括協定を結んでおり、これまでも人流分析や「第0回豊岡演劇祭」(プレ大会)などでリストバンドを用いた入場管理やIoTサイネージなどICTを活用した取り組み。また、水田における水管理の負担を軽減するIoTを実施してきた。
今回、5G基地局が設置された城崎国際アートセンターは2014年にオープンした施設。滞在アーティストは年1回の公募で選ばれ、これまでさまざまなジャンルのアーティストが同施設を活用してきた。
中貝氏は「5Gがアーティスト活動にどう作用するかはまだ未知数。しかし、遠隔地にいる同士が同時に作業するなどが考えられる。実際にどうなっていくか非常に楽しみ」と5Gと芸術のコラボレーションへの期待感を語る。
また、アーティスト活動以外の活用方法としてテレワークの推進拠点とする考えを示した。個室も含めたコワーキングスペースを整備し、ワーケーション的に活用されることを期待するという。テレワーク拠点としてのオープンは来年度中を目指す。
このほか、4年制大学も新たに設置が予定されている。
芸術のまちづくりを技術で支援
KDDI 理事 経営戦略本部 副本部長の松野茂樹氏は、企業活動としてのSDGsの重要性が近年増していることに触れつつ、同社が全国さまざまな自治体と課題解決に向けた取り組みを行っていることを紹介。
その中でも豊岡市とは「小さな世界都市」「芸術文化のまちづくり」という点に共感し、コラボレーションに至ったという。芸術を通じてグローバルな人たちと交流できる街づくりを通信の力で支援していきたいと松野氏。さらに、天然記念物である玄武洞をはじめとした観光地としての魅力を秘めた場所であるととも語り、そうした魅力を発信していきたいとした。
今回の取り組みの中では、豊岡の魅力を世界に知ってもらうべく、ダンサーKento MoriによるARダンスパフォーマンスの5G配信や豊岡と渋谷を5Gでつないだ遠隔ダンスなどの取り組みが実施された。
松野氏は「豊岡市の芸術文化によるまちづくりを、KDDIは5Gやそのほかの技術も使い、継続的に支援していきたい」とした。
Kento Mori氏は、5Gを活用した豊岡と渋谷の遠隔ダンスについて「ストレスなく行うことができた」とコメント。会見では実際のダンスの様子も動画で公開された。