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「格安スマホのサービスがわかりづらい」武田総務相と携帯電話利用者との意見交換会
2020年10月16日 06:00
総務省は、10月8日に開催された「武田総務大臣と携帯電話利用者との意見交換会」の議事概要を公開した。
出席者は、総務省から武田良太 総務大臣や総務副大臣の新谷正義氏、総務大臣政務官の古川康氏、総務審議官の谷脇康彦氏、総合通信基盤局長の竹内芳明氏、総合通信基盤局電気通信事業部長の今川拓郎氏、総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課長の川野真稔氏。
消費者側からは、しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長の赤石千衣子、主婦連合会事務局長の木村たま代、老テク研究会事務局長の近藤則子、全国消費生活相談員協会北陸支部長の新屋康夫、クラウドソーシング協会事務局長の湯田健一郎。
意見は、「ライフライン性」「通信料金が家計の負担」「適正なプラン選択」「料金プランの複雑さ」「格安スマホへの乗り換え方がわからない」に大きく分けられている。
ライフライン性
参加者から、携帯電話が生活のインフラとして重要であるという意見が見られた。
特にコロナ禍において、新しい生活様式で通信連絡手段として携帯電話が多用されており、パーソナルな通信手段として欠かせないものになっているという。
また、携帯電話料金を滞納したことによるローンの心配や、携帯電話の解約で生活基盤が脅かされるなどの意見があった。
通信料金が家計の負担
次に、通信料金が家計に占める負担割合が大きいという声があった。
特に、低所得世帯では特に負担が大きく、家計管理が厳しいという意見があった。
また、コロナ禍におけるリモートワークで、通信量が増大している現状を踏まえ、大容量プランの料金値下げ要望や、速度制限による仕事へ支障が出るとの意見が見られた。
一方で、安いに越したことはないが、通信品質や速度の低下は困るため、適切なバランスを確保してほしいという意見や、諸外国と比較して高いのか安いのか、通信品質やサービスも含めて価格差を知りたいという意見があった。
適正なプラン選択
自分にあったプランを適切に選択するのが困難という意見があった。
また、MVNOではデータ量あたりの金額は安くても、MNOにあるカケホーダイプランなどがないことが多く、結果的に高くなってしまうことがあるという。特に高齢者に向けてプランや料金体系を考える際は、音声通話も考慮してほしいというコメントがあった。
料金プランの複雑さ
料金プランが複雑で、ユーザー自身が契約しているプランを把握しづらいという意見があった。
基本料金事態はシンプルでも、キャンペーンによる値引きや家族割、セット割などの割引や、端末代金、契約期間などが複雑であるというコメントや、契約時は安いと思ってもキャンペーン期間が過ぎると高くなり、乗り換えても安くならなかったと実感するといったコメントが見られた。
格安スマホへの乗り換え方がわからない
MVNOなどの格安スマホに関しては、「どういうサービスがあるのかわかりづらい」「大手との違いがわかりづらい」「契約方法がわかりづらい」など、格安スマホ事態への理解が進んでいない意見が寄せられた。
また、「通信品質が安定しない」「通話無料にするにはアプリで発信しないといけないなどの使いづらさ」など乗り換えに対してのハードルや、コロナ禍において通信量が増大したため、低容量プランが中心の格安スマホが適切でないと感じる時があるなどの意見があった。
このほか、「高齢者へのサポートの重要性」や「抱き合わせ販売をやめてほしい」「ネットでかんたんに端末を購入したい」などの意見が見られた。
武田総務相「政策実現に向けて励んで参りたい」
武田良太 総務大臣は閉会の挨拶で「携帯電話事業は公共性の非常に高い事業」とし、通信料金のコロナ禍における家計への負担軽減に配慮が必要とコメントした。
また、料金が国際水準と比較して高すぎるという声があるとし、「特に大容量プランにおいて、公正で的確な市場競争が損なわれていることが原因ではないかと思う」と原因を分析した。そのうえで、しっかりとした競争が行われる環境整備に努めていかなければならないとコメントした。
最後に武田大臣は、「一人一人のユーザの方々が安心して納得して使えるようにするためにはどうしたらよいか、真剣に我々も考えて、しっかりとした政策実現に向けて励んで参りたい」と、政策実現への意気込みをコメントした。