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広島県、異業種間のデータ共有プラットフォーム「『ひろしまサンドボックス』データカタログサイト」を公開

 広島県は、実証実験のデータ提供者とデータ利用希望者をマッチングさせるサイト「データカタログサイト」を公開した。データは、AI/IoT実証プラットフォーム「ひろしまサンドボックス」の各プロジェクトで得られたデータや、メタデータ(データの目録)を公開する。

 広島県では、2018年度から、広島県内外の企業や大学、自治体などが主体となりさまざまな実証実験を行うことができる場「ひろしまサンドボックス」を提供している。「必ずしもうまく行かなくていい。失敗しても良い。」をコンセプトに、砂場のように何度でもチャレンジできる場としており、県内企業とのコラボレーションでAI/IoTなどのノウハウや知見の蓄積、新たなソリューションを生み出す「共創エコシステム」の構築を目指している。

 今回、産業分野をまたいだ新たなサービスやビジネスの創出を促すため、企業同士のデータ共有の場となるマッチングサイト「データカタログサイト」を構築し、「ひろしまサンドボックス」のモデル実証事業で集めたデータを公開する。

 データを公開するプロジェクトは、「島しょ部傾斜地農業に向けたAI/IoT実証実験」や「スマートかき養殖IoTプラットフォーム事業」など合計6つのプロジェクト。

提供イメージ
データを公開するプロジェクト

 発表会見には、広島県の湯﨑 英彦知事のほか、ソフトバンク代表取締役副社長執行役員兼CTOの宮川 潤一氏、データ流通推進協議会の眞野 浩氏、世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターの須賀 千鶴氏が登壇。

会見はオンラインで実施された

 企業のデータ活用について、ソフトバンクの宮川 潤一氏は、ソフトバンクがボーダフォンから携帯電話事業を引き継いで以降、通信環境の改善にはビッグデータを活用し続けていたと、企業におけるデータの重要性を指摘した。

 データ流通推進協議会の眞野 浩氏は、データの形式や信頼度も重要なポイントだと指摘する。

 データを公開したとしても、それが活用できるものではないと、活用されにくいという。データが円滑に流通し、サービスの連携が容易になるよう、ルールづくりが重要になってくるとコメントした。

 また、公開されているデータの信頼度も高くなければならないとし、今回のような「安心安全なデータ取引の公設市場」の存在があるべきだとした。

 世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターの須賀 千鶴氏は、官民共同のデータカタログサイトの構築は、世界でも注目されているプラットフォームになるとし、同マッチングサイトに期待を寄せた。