KDDIとJパワー、ドローンで風力発電機の遠隔点検――人手不足解消に向け今後実用化へ

　KDDIと電源開発（Jパワー）は、ドローンを活用した風力発電機の自動点検の実証実験を実施した。今後、実用化に向けた検討を進める。

　実験は、風力発電機をドローンベース製の自動操縦ソフトを搭載したドローンで遠隔操作により点検するもの。期間は2020年9月1日～9月30日まで。場所は北海道のJパワー苫前ウィンビラ発電所のほか2カ所で実施された。

飛行中のドローン

ドローンが撮影したブレード

　回転を停止した風力発電のブレードを1枚につき4方向から、1基につき合計3枚分を撮影。画像をクラウドサーバーにアップロードし画像解析ソフトにより損傷箇所を解析し、損傷箇所を正確に識別できることを確認した。

　従来は、作業の特殊性や風の弱い夏期に点検が集中するため作業員の確保に課題を抱えていたが、同実験の方法では、自動操縦のため作業員には高度な操縦技術などは求められない。また点検にかかる時間も、1基の発電機につき20分程度、従来と比較して10分の1程度で済むという。

　両社は今後、ドローンを用いた点検の実用化に向けた検討を進めるとともに、ドローンや河川水位、設備の異常などのIoTセンサーが取得したデータを蓄積、分析し可視化するデータプラットホームを構築するとしている。