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サムスン、「Galaxy Note20」「Galaxy Note20 Ultra」発表

Sペンのレイテンシーが9ms、ワイヤレスDeXも実現

 サムスン電子は、Androidスマートフォンの最新モデルとして、6.7インチディスプレイの「Galaxy Note20」と、6.9インチディスプレイの「Galaxy Note20 Ultra」を発表した。海外では8月21日発売、8月6日から予約を受け付ける。5G対応で、価格は「Galaxy Note20」が999ドル(約10万5000円)、「Galaxy Note20 Ultra」が1299ドル(約13万7000円)。

 「Galaxy Note20」はSペンをライトに楽しみたい人に向けた機種、そして「Galaxy Note20 Ultra」はこれまでのNoteシリーズのファンや最高峰のスペックを楽しみたい人に向けた機種となる。なお、「+(プラス)」が付く機種は用意されず、「Galaxy Note20」シリーズは2機種で構成される。

Galaxy Note20 Ultra(左)とGalaxy Note20
Galaxy Note20 Ultra(左)とGalaxy Note20
Galaxy Note20 Ultra

 主だった機能は共通した仕上がり。一方で、カメラ、サイズやディスプレイ、バッテリー、UltraのみmicroSD(最大1TB)対応といった点が異なる。

 今回発表されたのはグローバルモデルで、日本での発売は未定だが、これまでの経緯を踏まえると、今冬モデルとしての国内発売に期待がかかる。チップセットやストレージ、対応周波数は発売される地域、事業者によって異なる。


Sペン操作のレイテンシーが9msに

 Noteシリーズでおなじみの「Sペン」は、今回、ディスプレイ側の改善により、レイテンシーが9ミリ秒(ms)にまで短縮された。これは、Apple Pencilと同等の性能で、サムスンでは「紙にペンを走らせる感覚で使える」とアピールする。ハードウェアの性能向上だけではなく、AIにより、ユーザーがSペンで描く軌跡を予測して書くスピードを改善している。

 また、Sペンのボタンを押しながらジェスチャーすることで、スマートフォンを操作する「Air actions(エアアクション)」はこれまで特定のアプリだけで利用する形だったが、全てのアプリで利用できるようになった。

CLIP STUDIO、Galaxy向けに

 イラスト・マンガ制作アプリの「CLIP STUDIO」が、サムスンのアプリストアを通じて、Galaxy Note 20シリーズを含むサムスンのAndroidスマートフォン向けに提供されることになった。

 同アプリはこれまでiOS版とパソコン版で提供されてきたが、Android版が新たに登場することになる。一定期間の間は、サムスンのストアで独占配信され、その後、Google Playにも登場する。

Samsung Notesアプリ、マルチデバイス対応に

 メモアプリの「Samsung Notes」は、Samsungアカウントにサインインしていれば、自動保存と同期で、あらゆるデバイスからアクセスできるようになる。

 Samsung Notesで新たに搭載される「オーディオ・ブックマーク」は、メモ書きしたタイミングと録音のタイミングをシンクロさせる。たとえば会議中、あるいは大学での受講中、メモを取りながら録音する、といった使い方が想定されており、メモを書いた部分をタップするだけで、録音データの再生箇所は、そのメモを取ったタイミングを頭出ししてくれる。

録音とメモのシンクロ

 このほか、PDFをインポートして、注釈などを書き込めるようになった。

PDFインポート

 Sペンで描いたメモをまっすぐ水平に傾きを補正してくれる機能も新たに搭載。

 Samsung Notesのデータは、パソコンのようにフォルダ構造で格納できるようになった。

 このほか、2019年のマイクロソフトとの提携により、Galaxy Note20では、スマートフォンの画面をWindows上に表示し、パソコンとのデータ転送が簡単にできる。PowerPoint形式でのエクスポートもできるようになった。Outlook、OneNoteとも同期できる。リマインダーはOutlook、To-Doと同期する。

 Samsung Notesは、今後、旧機種向けにもアップデートでの配信が検討されている。

ゲーム関連機能

 ハイエンド機種らしくゲーミング機能も用意されている。プレイ中の通知を無効にしたり、バッテリーの最適化を図ったりする機能に加えて、ディスプレイの進化により240Hzのタッチレスポンスに対応。

 またベイパーチャンバー冷却システムを採用し、高いパフォーマンスを維持できる。

DeX

 「Samsung DeX」は、これまでも同社製のハイエンド機種で搭載されてきたもので、大画面でスマートフォンを楽しむ機能。

DeXがワイヤレス対応に

 これまでは有線接続となっていたが、今回、Miracast対応のデバイスでワイヤレス環境でも使えるようになった。単なるミラーリングではなく、拡張デスクトップとして使える。

 たとえばテレビに資料を投影しながら、手元のパソコンのインカメラで自分を映してビデオ会議に参加する、といった使い方ができる。

 繋いでいる間、Galaxy Note20をタッチパッドデバイスとしても使える。

Ultraには1億800万画素カメラ

 「Galaxy Note20 Ultra」は108MP(1億800万画素)カメラが搭載される。

 新たにレーザーオートフォーカス機能が搭載され、よりスピーディで正確なピント合わせを実現する。

 最大50倍ズーム対応で、1200万画素の超広角カメラを備える。

プロビデオモード

 動画撮影もパワーアップ。「プロビデオモード」での撮影は、8K、24fps、21:9といった映像を撮影できる。またフルHD/120fpsでも撮影できる。

ISOをマニュアルで変更
手動ズーム

 プロビデオモードでは、フォーカス、マイクの指向性、ズームなどをマニュアルで操作できる。

マイクの指向性を調整
ズーム操作

 編集も簡単で、再生速度を変えたり、スローモーションにして保存したりすることもできる。たとえば複数の動画を選択するだけで、ハイライトを検出して自動的につなぎ合わせてくれる編集もワンタッチで利用できる。

スピーディな編集
他の機器へのワイヤレス充電も
同時に発表された周辺機器やタブレットとGalaxy Note20
専用カバー

主な仕様
項目Galaxy Note20Galaxy Note20 Ultra
ディスプレイ6.7インチ(20:9)フルHD+、Super AMOLED Plus6.9インチ(19.3:9)WQHD+、Dynamic AMOLED 2X
チップセットSnapdragon 865+、Exynos 990
メインカメラ(超広角)12MP、F2.2、1/2.55、1.4μm
メインカメラ(広角)12MP(2PD)、F1.8 光学手ブレ補正(OIS)、1/1.76、1.8μm108MP(2PD)、F1.8 光学手ブレ補正(OIS)、1/1.33、1.8μm
メインカメラ(ズーム)64MP(3x)、F2.0、1/1.72、0.8μm12MB(5x)、F3.0、1/3.6、1.0μm
フロントカメラ10MP(2PD)AF、F2.2、1/3.24、1.22μm10MP(2PD)AF、F2.2、1/2.55、1.4μm
メモリー(RAM)8GB8GB/12GB
ストレージ(ROM)128GB/256GB128GB/256GB/512GB
大きさ75.2×161.6×8.3mm77.2×163.8×8.1mm
重さ194g208g
バッテリー4300mAh4500mAh
カラーバリエーションMystic Bronze、Mystic Green、Mystic GreyMystic Bronze、Mystic Black、Mystic White