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Arm、デジタルコックピット実現に向け開発キットをアップデート

 Armは、Mali GPUのドライバーソフト開発キットをアップデートした。今回のアップデートでは、自動車のデジタルコックピットに求められる重要な要件をサポートし、ArmのパートナーであるAudiとSamsungが2022年モデルの新型車向けにMali IP(知的所有権)を採用することを発表した。

 Arm Maliドライバーソフト開発キットのアップデートの背景には、スマートフォンのような体験が自動車の車内にも求められており、デジタルミラーやヘッドアップ・ディスプレイなど、より多くのディスプレイを用いたイノベーションに対する高い需要がある。

 Armは車載インフォテインメント(IVI)ソリューションで85%、世界のスマートフォンの99%がArmベースであり、Arm Mali GPUでは車載インフォテインメントとスマートフォンの両方のアプリケーションで培った専門知識を凝縮しているという。

 ArmのMali-G76向けDDKでは、最新の仮想化サポート機能に対応し、個々の仮想マシンを実行する複数のグラフィックリッチなアプリケーション間でGPUリソースの共有を可能にする。

 Armでは、1台の仮想マシンが別の仮想マシンの情報にアクセスできない設計にするなど、自社のIPと開発ツールに対してセキュリティ機能を基本設計から組み込んでいる。

 Mali DDKの仮想化機能は、アプリケーションからも全く見えないように設計されるため、開発者はこれをサポートするためにアプリケーションを修正する必要はなく、デバイスのドライバーソフトとシステムソフトウェア内で処理が実行される。

 Mali DDKはLinuxとAndroidをサポートする。複数のOSとハイパーバイザーを対象に仮想化機能を使用することで、仮想化システム内のタッチスクリーンの高速なレスポンスを実現し、スムーズなユーザー体験を提供するという。