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「解除料1000円でもMNPしない」が約7割、MM総研が調査レポート
「5G」認知率は9割、「5Gで値上げなら契約しない」は7割
2020年3月13日 17:53
MM総研は、5Gスマートフォンや楽天モバイルのMNO参入に関するアンケートをオンラインで実施し、その結果を発表した。調査は2020年2月に行われ、回答件数は1100件。
電気通信事業法の改正は解除料の上限設定に高い認知
2019年10月に施行された電気通信事業法の改正に伴い、定期契約中の解約に伴う解約金の上限が1000円に制限されたことと、端末代の割引額が2万円までに制限されたことの二点に関する認知状況では、「具体的な内容を知っていた」とする回答が解約金は29.5%、端末代の割引上限は20.2%。
「何かしら変更があったことは知っていた」が解約金は70.8%、端末割引は52.7%となり、両者を比べると解除料に対する認知度が高くなった。
「解約金が1000円でも乗り換えしない」は約7割
定期契約中の解除料が値下げに関連して、今後の通信事業者の乗り換え(MNP)について質問した結果、「解除料が従来(9500円)のままでも別の会社に変更したい」は7.1%、「解約違約金が1000円に安くなったので別の会社に変更したい」が24.1%、「解約違約金が1000円に安くなっても別の会社に変更したくない」は68.8%となった。
スマートフォンの買い替えサイクルは長期化の傾向
端末代金の割引上限が2万円に制限されたことに関連して、今後スマートフォンを購入する際に本体価格がどのように影響するかの質問では、「今よりも価格が高くてより高機能なスマートフォンを購入したい」が10.7%、「今と同様の価格帯のスマートフォンを購入したい」は60.5%、「今よりも安くて機能が限定されたスマートフォンを購入したい」28.8%となった。
今後の買い替えサイクルについては「今よりも長い期間(サイクル)でスマートフォンを買い替えたい」は35.9%、「今と同様の期間でスマートフォンを買い替えたい」54.5%、「今よりも短い期間でスマートフォンを買い替えたい」が9.6%となった。
MM総研では、電気通信事業法の改正によってミドルレンジ・廉価端末の販売比率が増加し、買い替えサイクルの長期化が進行すると分析している。
楽天MNOサービスの認知度は55%
4月にMNOサービスをスタート予定の楽天モバイルについては、「楽天が既にMVNOサービスを提供していることも、今後MNOサービスを開始することも知っていた」が33.5%、「楽天がMVNOサービスを提供していることは知っていた」が14.8%。
「楽天が今後MNOサービスを開始することは知っていた」が21.3%で、「楽天がMVNOサービスを提供していることも、今後MNOサービスを開始することも知らなかった」が30.5%となった。
なお、本調査は楽天モバイルが料金プランを正式発表した3月3日よりも前に実施されている。
「5G」の認知率は約9割、詳細把握は3割
2020年3月に開始する5G商用サービスについては、「5Gの違いを含めて知っていた」は31.7%、「5Gという言葉のみは知っていた」が56.7%、「5Gは知らなかった」11.6%となった。
言葉のみの認知率は約9割にのぼるが、サービス内容や現状との違いに関する違いを含めて知っているとした回答は約3割にとどまる。
「値上げなら5G契約しない」が本体代・月額共に7割越え
5Gスマートフォンの月額料金について、現在のプランからいくらなら高くても契約するかの質問には、「月額料金が高くなるなら5Gプランは契約しない」が76.2%で最多に。
「500円高くても5Gプランを契約したい」9.2%、「1000円高くても5Gプランを契約したい」6.6%で、500円間隔で500円~5000円以上で設定した回答結果を基に、加重平均で算出した5Gプランの月額料金アップの許容額は、「高くなるなら契約しない」の回答者を含めると339円、値上げを容認する回答者に限ると1424円となった。
本体代金についても「価格が高くなるなら5Gスマートフォンは購入しない」が73.7%で最多で、「本体価格差が2400円(100円×24カ月)なら5G端末を購入したい」が10.4%、同4800円が4.2%。
2400円(100円×24カ月)間隔で、2400円〜2万8800円以上で設定した選択肢の回答結果を基に、5Gスマートフォン端末代金の値上げ許容額を加重平均で算出すると、「価格が高くなるなら5Gスマートフォンを購入しない」と回答したユーザーを含めると2195円、含めない場合は8342円となった。