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KDDI、UQ mobile事業を統合へ

 KDDIとUQコミュニケーションズは、UQのMVNOサービスである「UQ mobile」の事業を、10月1日付けでKDDIへ統合する。

 会社分割による承継となる。サービス自体はauとは別に、UQ mobileのブランドが引き続き提供される。UQ mobileの契約数は200万契約に達している。

 KDDI代表取締役社長の高橋誠氏は、14日の決算会見において、統合のメリットが3つあると説明。全国営業体制、両ブランドの特色を生かしてニーズにあわせたわかりやすい料金プランの提供、重複する業務などグループ経営資源の集約による競争力強化という3点を挙げた。

 UQは、総務省の規制により、KDDIの資本が33%に制限されているグループ会社で、auのネットワークを利用するMVNOとして「UQ mobile」を提供してきた。そのUQ mobileは、もともとはKDDI子会社のKDDIバリューイネイブラーが手掛けていたが、2015年10月、KDDIバリューイネイブラーとUQが合併し、UQ自身のサービスとなる。今回の経営統合で、KDDIはauブランドとUQ mobileブランドで携帯電話サービスを提供する。さらに傘下のBIGLOBEも、J:COMもMVNOとして携帯電話サービスを提供。UQは10月以降も既存サービスの「WiMAX 2+」を展開する。

 5月14日の決算説明会で質疑にこたえたKDDIの高橋社長は「これまで別会社として、KDDIとUQがそれぞれ意思を決めてきた。元のさやに戻ったとは捉えておらず、今回の統合で変化はある。大きく3つのメリットを見込んでいるが、市場は多様化している。ひとつではなく、複数のブランドでサービスを提供することが重要だ」と語り、au IDの増加などを実現させたい考えを示した。また、動画配信サービスなど、au以外のユーザーでも使えるオープン化を進める中で、UQ mobile事業での連携を今後、具体的に進めるとも説明。

 事業承継後の料金プランについては答えを控えつつ、「安心して大容量を使っていただけるサービスをauとして勧め、低料金で小容量かつ安定した品質としてUQ mobileというポジション」と解説。同じくKDDI傘下のBIGLOBEはオンライン加入が主であること、あるいは歴史あるISPとしてそのユーザーから利用されていることから、それぞれのブランドですみ分けられるとの見通しも示した。