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モトローラ、「moto g8」「moto g8 power」を4月28日発売

マルチカメラ、大容量バッテリーのミドルクラス

 モトローラは、moto gシリーズのSIMロックフリーAndoroidスマートフォン「moto g8」「moto g8 power」を4月28日に発売する。価格は、moto g8が2万5800円(税込、以下同)、moto g8 powerが3万2800円。

moto g8 左:ノイエブルー 右:ホログラムホワイト
moto g8 power 左:スモークブラック 右:カプリブルー

 先に発表された「g8 plus」(3万8800円)を含めたg8シリーズは、いずれもチップセットに「Snapdragon 665」を採用。カメラ機能だけ見ると、いずれも超広角撮影やAIエンジンをサポートしつつ、マクロ撮影できる「g8」、望遠撮影ができる「g8 power」、そして3月登場の「g8 plus」はナイトビジョンやアクションカムに対応したモデルという形で、それぞれの個性が打ち出さされている。

moto g8は2万円台でマクロ撮影対応のトリプルレンズカメラ

 moto g8は、1600万画素のメインカメラと200万画素のマクロカメラ、800万画素の広角動画カメラのトリプルカメラを搭載。撮影シーンに応じて撮影モードや設定を自動で最適化する。

マクロカメラで花を撮影

 レーザーオートフォーカスを採用し、メインカメラはスピーディに焦点を合わせられる。マクロカメラは2cmの距離に焦点を当ててマクロ撮影が、広角カメラでは118°の超広角で撮影できる。

 AIエンジンにより、暗がりでも明るく撮影できるほか、スポットカラー、シネマグラフ、タイムラプス動画、スローモーション動画などを撮影できる。たとえば風景と人物を収めた写真を撮ると、プロのような構図にしてくれる「スマート構図」をサポートする。

メインカメラ(左)と広角カメラ(右)の比較

 電池容量は4000mAhで、約40時間駆動する。急速充電に対応しており、15分で約8時間分、充電できる。

 1台のスマートフォンで2つのSIMカードを装着し、2つの電話番号を使用できるデュアルSIMも引き続きサポート。先代のmoto g7では4Gと3GのデュアルSIMという組み合わせだったが、moto g8では4Gと4Gという組み合わせに対応しており、どちらも高音質なVoLTEで通話できる。使用するSIMはマニュアルで選択するか、過去の通話履歴に基づいて自動選択できる。

 6.4インチ、HD+、アスペクト比19:9というMax Visionディスプレイを搭載する。チップセットはSnapdragon 665、メモリは4GB。

moto g8 powerはクアッドカメラ、大容量電池を増量

 moto g8 powerは、基本的な性能がmoto g8と同等ながら、カメラ性能やバッテリーを強化し、ドルビーオーディオへの対応した一段上のミドルレンジモデルとなっている。

 moto g8と同じトリプルカメラに加え、800万画素の望遠カメラも備えるクアッドカメラとなる。望遠カメラは、光学2倍ズーム対応で、遠くの被写体を細部まで鮮明に撮影することができる。カメラはAIエンジンが用意されており、撮影シーンに応じて、最適な設定が適用される。

メインカメラ(左)と望遠カメラ(右)の比較

 電池容量は、moto g8よりも1000mAh多い5000mAhで、約2日間駆動する。

 ドルビーオーディオ対応で、ステレオスピーカーで大音量で臨場感あるサウンド体験やクリアな通話体験ができる。

 6.4インチ、フルHD+、アスペクト比19:9のMax Visionディスプレイで、チップセットはSnapdragon 665。こちらもデュアルSIMをサポートし、どちらのSIMでも4Gへ接続でき、デュアルVoLTE対応となる。

g8、g8 powerで楽しめるシネマグラフ

 動く被写体をとらえながら、シャッターボタンを押し続けて連続撮影すると、動いていた部分が蛍光ペンのような色合いで半透明で青く塗られる。塗られた部分をこすると、被写体から除去されることになる。

 たとえば円を描いてトンネルに入ったり出たりする列車のおもちゃを撮影しトンネルから出る部分だけを消す。すると、列車がトンネルへ吸い込まれるような動画に仕上げることができる。こうして作成された動画はGIFかMP4で保存でき、SNSへ簡単にシェアできる。

motoアクション、引き続き搭載

 独自機能のMotoエクスペリエンスのひとつで、シンプルな操作で、好みの機能を呼び出す「motoアクション」を引き続きサポートする。

 たとえば3本指のタップでスクリーンショットを記録したり、端末を手にしながらくるっと回すだけでカメラを起動したりできる。設定メニューからON/OFFを切り替えられる。

主な仕様

moto g8moto g8 power
ディスプレイ6.4インチ
HD+(1560×720)19:9
液晶
6.4インチ、FHD+(2300×1080)19:9
IPS液晶
メインカメラトリプルカメラ
メイン:1600万画素/F1.7
広角:800万画素/F2.2
マクロ:200万画素/F2.2
クアッドカメラ
メイン:1600万画素/F1.7
広角:800万画素/F2.2
マクロ:200万画素/F2.2
2倍光学ズーム:800万画素/F2.2
フロントカメラ800万画素/F2.01600 万画素/F2.0
大きさ約161.3×75.8×9.0mm約156.0×75.9×9.6mm
重さ約188.3g約197g
チップセットSnapdragon665(Qualcomm製)
メインメモリ(RAM)4GB
ストレージ(ROM)64GB
外部ストレージmicroSD(最大512GB)
電池容量4000mAh5000mAh
ワンセグ/フルセグ―/―
防水防塵機能
ハイレゾ
カラーバリエーションノイエブルー/ホログラムホワイトスモークブラック/カプリブルー
価格2万5800円3万2800円

楽天モバイルに対応

 g8、g8 powerともにNTTドコモ、au、ソフトバンクの回線に対応。また出荷時から楽天モバイル(MNO)に対応する。先に登場していたg8 plusは5月対応予定。

「前年の2倍売れた」、コスパの良さに自信

 21日、オンライン発表会が開催され、シドニーオフィスからビデオレターで登場したモトローラ日本法人社長のダニー・アダモポウロス氏は、消費税増税や分離プランの導入など、2019年度には携帯電話業界にインパクトのある出来事があったにも関わらず、モトローラの日本での販売数が前年度の2倍に達したと説明。日本市場へさらに注力すべく、日本法人で人員の増強を進めたと語る。

ダニー社長

 モバイルデバイス事業のプロダクト・マネージャーの島田日登美氏は、増税と分離プランというダブルパンチがあったにも関わらず、gシリーズの販売数が伸びたことの背景として、価格とスペックの良さが評価されていることや、生産品質が高いレベルにあり「販売現場からは手戻り(ユーザーから販売店への相談など)が少ないとの声がある」ことを紹介。

 今回のg8シリーズについても、カメラ機能を中心に、ユーザーからニーズの高い機能を盛り込んだ価格とのバランスが良い製品であること、一度覚えたら自然に使えるという「motoアクション」も利便性が高いことなどに触れ、独自性のある使い勝手や価値を提供できる自信作と評した。

新型コロナの影響「生産、巻き返し中」

 パソコンを含めると、レノボおよびモトローラでは、世界で30か所以上の生産工場を抱えている。グローバルで新型コロナウイルス感染症の影響が広がる中、現在はどういう状況なのか。

 島田氏は「3月に発売したg8 plusはあっという間に在庫がなくなりご迷惑をおかけした。中国の生産工場は正常な稼働を始めた。止まっていた期間の分、巻き返しを図っている」と述べ、今後の供給体制の改善を約束した。

防水・FeliCaへの対応、5G製品は

 日本市場でニーズが高いとされる防水性能や、かざして決済などに使えるFeliCa機能については「日本で要求されている機能。準備を進めている」とコメント。

 また5G対応製品についても「モトローラは世界で初めて5G対応製品を出した企業。日本でも準備を進めている」とコメント。

 日本向けの仕様、そして5Gへの対応については、本誌が2月に実施したインタビューでも前向きな姿勢が示されており、今回大きな進捗はなかったが、引き続き取り組んでいることが明らかにされた。