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たった10日で建設された武漢「火神山医院」、ファーウェイの5Gで遠隔診療体制~新型コロナウイルス感染リスク軽減
2020年2月4日 11:30
新型コロナウイルスによる肺炎患者が2万人を超える中、医療設備不足を解消するため、武漢の「火神山医院」が1週間あまりの超突貫工事で完成した。
同時に建設中の「雷神山医院」も2月5日に引き渡し予定で、2施設合わせて2600人を収容できる。
2施設は、重症急性呼吸器症候群(SARS)が大流行した2003年に北京郊外に建設された「小湯山医院」をモデルにしているが、当時と違うのは、「火神山医院」「雷神山医院」に、最先端技術の5Gネットワークが導入され、遠隔医療を実現した点だ。
ファーウェイの支援体制
通信機器メーカーのファーウェイ(華為技術)は23日に、新型肺炎支援プロジェクトチームを発足。150人体制で、通信キャリアのチャイナテレコム(中国電信)などと連携して、病院内の5Gネットワークを整備した。
基本的な5Gインフラは3日間で構築され、27日から病院建設現場の24時間中継が開始。外出を制限されている中国人の国民的コンテンツになった。
5Gによる映像伝送で遠隔診療
1月25日に着工した火神山医院は2月3日に稼働を開始。ファーウェイが提供したスマートディスプレイ、クラウドを利用した高画質スマートビデオ会議システムによって、北京の専門家が現場の医療スタッフを補助する遠隔診療体制が実現した。診察効率の向上と、医療スタッフの負担軽減が期待できるという。
病院内で使用する医療用ワゴンにもビデオカメラを搭載し、医療スタッフと患者の直接接触を減らしながら、近距離での観察を行える。
ファーウェイとチャイナテレコムは2月1日、従来から新型肺炎患者の診察を行っている武漢協和医院にも5G遠隔診療システムを構築している。同システムによって武漢の分院や北京の関連医療機関と5Gネットワークで結び、診察だけでなくビデオカンファレンスも行える。
5Gネットワークは武漢以外でも薬を病室に届けるロボットなどに導入されている。また、ファーウェイやテンセントが在宅勤務を行う企業向けに5Gネットワークで100人以上が参加できる会議システムを無料開放するなど、広い分野で応用が広がっている。