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「置くだけ」の次は「部屋に入るだけ」、ドコモが遠距離ワイヤレス充電技術を実演

 卓上に敷かれたレールをぐるぐると走る電車のおもちゃ。ごく普通の光景のように見えるが、おもちゃの中に電池はなく、プラスチック製のレールは本格的な鉄道模型のように通電しているわけでもない。いったいどこから電気が来ているのだろうか。

電車のおもちゃが走っているが、電池は入っていない

 その答えは「Wi-Charge」という遠距離無線給電技術だ。NTTドコモのイベント「DOCOMO Open House 2020」で、次世代のワイヤレス充電ともいえるWi-Chargeが実演された。

 どこから送電しているのかというと、天井に設置された照明にWi-Chargeの送信機が組み込まれている。送電範囲は4m程度で、赤外線レーザーを使用するため、人や物に遮られていないことが条件となる。

遠距離ワイヤレス充電「Wi-Charge」のデモ

 2020年現在、一部のスマートフォンにはQi規格のワイヤレス充電機能が搭載され、充電パッドに「置くだけ」で充電できる技術は浸透しつつある。Wi-Chargeの場合はもう一歩進んで、「部屋に入るだけ」で充電できる。

 現行のワイヤレス充電と同様に充電ケーブルが不要なことに加えて、決まった場所にスマートフォンを置かなくても充電が開始されるため、「充電のし忘れ」を減らせる。ドコモでは、「充電ストレスから解放され、電池切れのない生活」を実現する技術として実用化を目指す。家庭や商業施設などに送信機を設置し、充電を意識しなくても良いシステムを構想している。

照明一体型のWi-Charge送信機
スマートフォン用受信機の試作品

 先述のおもちゃを使ったデモンストレーションに加えて、スマートフォン用のWi-Charge受信機も展示された。現時点で動作する試作品はスマートフォンと同程度の幅があり、USB端子に接続する。あわせて展示されたモックアップは小型化されており、USBタイプのほかに手帳型ケースに受信機を内蔵する案もある。将来的にはこのモックアップと同程度のサイズで実用化を目指すという。

将来的には受信機をさらに小型化し、スマートフォン用ケースへの搭載も検討する