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ファーウェイの折りたたみ5Gスマホ「Mate X」、発売の準備整う――管理当局からライセンス取得

 今秋の発売が予定されているファーウェイの折りたたみ(フォルダブル)タイプの5G対応スマートフォン「Mate X」が、中国の通信業を管轄する工業情報化部から、発売に必要なネットワークアクセスのライセンスを交付された。

ファーウェイのMate X(2019年3月に披露されたもの)

 外国メディアでは、「デバイスの品質やデザインの見直し」のためにMate Xの発売が当初の9月から遅れる見込みだと報じられている。ただ、工業情報化部のサイトによると、Mate Xは7月にネットワークアクセスのライセンスを得た後に、デザインや部品を一部見直して8月8日に再度ライセンスを申請。8月18日に審査を通過したことが確認されており、発売の準備が整ったとみられる。関係者によると、デザインの見直しを行ったため、Mate Xの生産能力は当初予定より縮小し、最初の出荷台数は10万台以内にとどまりそうだ。

 工業情報化部のサイトには、ライセンスの再取得後に新たな画像が1枚追加された。これは光線の照射と反射を利用して、奥行きなどを計測できる「TOF(Time Of Flight)カメラ」に関する画像で、何らかの改良が行われたようだ。

工業情報化部のサイトで、Mate Xを検索して表示されたトップ画面

 サイトには、スマホを開いた状態の画像も掲載されている。また、備考欄にはMate XをサポートするネットワークとしてGSM、CDMA、CDMA2000、WCDMA、TD LTE、LTE FDDのほか、5G NSA(ノンスタンドアローン、4Gとのセット運用を想定した仕様)とSA(スタンドアローン、5G単独で運用できる仕様)が記載されている。デュアルSIMカードに対応することも触れられている。

 「Mate X」は完全に開いた状態で、8インチ(アスペクト比は8:7.1、画像解像度は2480×2200ピクセル)、折りたたんだ状態の前面は6.6インチ(19.5:9、画像解像度は2480×1148)、背面は6.38インチ(25:9、画像解像度は2480×892)のディスプレイを備える。開いた状態では、画面を二つに分割して、それぞれで違う操作を行える。

 内蔵RAM/ROMは8GB/512GBが基本だが、6GB/128GBと12GB+512GBのバージョンも用意されており、関係者によると、基本バージョンの価格は1万元(約16万円)台、最も高スペックの端末でも1万5000万元に抑えられる見込みだ。

中国メーカーから5Gスマホの発表相次ぐ

 中国では今年後半、5Gスマホの発売が相次いでいる。ファーウェイは8月16日、同社初の5G対応スマホ「Mate 20X 5G」を発売した。チップセットはKirin980。5Gの通信モデムはKirin980と組み合わせられるBalong5000を採用。基本バージョンの8GB/256GB版は6199元(約9万4000円)と安くはないが、ファーウェイによると、15日正午時点で予約台数は100万台を突破した。

 ZTEも7月にハイエンドスマートフォン「ZTE Axon 10 Pro 5G」をフィンランドにて発売。今月初旬には中国でもリリースした。シャオミ(小米科技、Xiaomi)も「Mi 9S」の5Gバージョンを9月に発売すると発表した。

 2019年は中国市場で十数種の5Gスマホの発売が予定されている。価格は3000元(約4万5000円)~1万元(約15万円)と割高だが、シャオミのLu Weibing(卢偉氷)副総裁は6月のファンミーティングで、「2019年後半には2000元台(3万円台)で買える5Gスマホが登場する」と語っている。