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ファーウェイのフォルダブル「Mate X」を広げて使ってみた

 2月に発表されたファーウェイの「Mate X」は、フォルダブルと呼ばれる新たなジャンルに挑戦する意欲的な機種だ。

 スマートフォン2台分のディスプレイをひとつにまとめた「Mate X」の実機に触れる機会を得た今回、その様子をご紹介したい。

折りたたまれたMate Xを広げて使ってみる

 「Mate X」は、広げると8インチ、閉じると6.6インチおよび6.38インチのディスプレイが表と裏の両面にあるというスマートフォン。

 もっとも興味をそそられる折りたたみのメカニズムについて、その詳細は明らかにされていないが、発表会では100以上の部品で構成されている。詳細なスペックは発表時の本誌記事をご覧いただきたい(※関連記事)。

 実際に広げる動きと折りたたみを両方試してみると、折りたたみヒンジからは動きにあわせたメカの音が聞こえてくる。慣れないうちは恐る恐る触ってしまうが、きちんと剛性を保って開閉できることはすぐわかる。

 大画面にすると、2つのアプリを同時に表示して利用できる。たとえば、左側をメール、右側をマップという形で使うこともできる。ちなみに、3つ以上のアプリを同時に表示、利用することはできない。これは2つのアプリの利用が適切というファーウェイ側の判断による。

 8インチという大画面は、エンターテイメントを楽しむだけではなく、仕事にも適している、とファーウェイは自信を持つ。特に5Gへ対応していることは、大容量で高精細・高画質な動画コンテンツも、ほんのわずかな時間にダウンロードできるようになるため、5Gとの相性が良いとアピール。

 2つの画面を持つ「Mate X」は、カメラでもユニークな体験を提案している。そのひとつが「ミラーシューティング」という機能。折りたたんだ状態で撮影すると、撮影者と被写体どちらもディスプレイが見えるため、ファインダーの状況をどちらからも確認できる。

 被写体となる人にとっては、どのような写真になるか、撮る前にわかるという形で、集合写真を撮る場合などで便利に使えそうな機能だ。

大画面でのカメラ起動時
折りたたんだときのカメラ起動時。こちらはカメラが手前にある、セルフィー状態だ

 折り曲げられるディスプレイによって、ついに実現したフォルダブルデバイス。他のスマートフォンメーカーからも発表される中、ファーウェイは今年半ばにも発売する意向を示している。日本での登場はまだ明らかにされていない。

 国内の携帯電話事業者次第という面もありそうだが、ファーウェイ自身は5Gサービスを提供する国と地域での展開を視野に入れているとのことで、日本での登場にも期待できそう。

 今回はまだ認証を得ていない1台のため、通信できない端末だったが、最新のネットワークである5Gに対しては、LTEと組み合わせるノンスタンドアローン方式はもちろん、5G単体で通信するスタンドアローン方式もソフトウェアアップデートでサポートする方針が示されている。

 通信とハードウェアで最先端を走る「Mate X」は、2299ユーロ(約28.6万円)という価格になることが明らかにされている。スマートフォンやタブレットとしてはこれまでにない高額な形だが、「Mate X」は、新たな興奮をもたらす一台であることは間違いない。日本へ登場する際には、高い注目を集めることになりそうだ。