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KDDI高橋氏「5G時代を支えていくのはIoT」、ソラコムがIoTカンファレンスを開催

 ソラコムは、IoTカンファレンス「SORACOM Discovery 2019」を開催した。IoTの最新トレンドやビジネスでの活用事例を紹介するイベントで、基調講演ではIoTプラットフォームとして成長する同社の事業の紹介に加えて、新サービスが多数発表された。

「SORACOM Air for セルラー」は100万回線突破

 IoT向け通信サービス「SORACOM Air for セルラー」の契約数は100万回線を突破。SORACOMのサービスを利用する企業・個人は、15000ユーザーを超えた。

 遠隔監視や決済、工場の可視化といった用途のほか、ソースネクストのクラウド型通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」やGroove Xの家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」など、コンシューマーが手にする製品での導入事例も増えている。また、具体的なサービスとしての提供形態は検討中だが、QRコードを使ったeSIMプロファイル配布のデモンストレーションも披露された。

 世界中で利用できる「SORACOM IoT SIM」(旧グローバルSIM)には、日本国内でもドコモとauの2キャリアのネットワークを利用できるマルチキャリア機能を追加。あわせて、国内外でのデータ通信料の値下げも行う。このほか、大容量のアップロードに特化した新プランや、LTE-M対応IoTボタンの新機能などが発表された。

KDDI高橋社長「5G時代を支えていくのはIoT」

 ソラコムは、2017年にKDDIによって買収され、連結子会社となった。今回のイベントには、KDDIの高橋誠社長も登壇。ソラコムの玉川憲社長との対談が行われた。

 玉川氏は、「(2017年の買収時には)高橋氏が我々のオフィスに来て、社員が不安に思っているところを払拭してくれた。ケーキ入刀までして、非常に温かく迎えていただいた」と買収時のエピソードを語った。

 KDDIグループの中でのソラコムの位置付けについて問われた高橋氏は、通信事業者としてネットワークをしっかりと展開して信頼を得ていく一方で最先端の技術にも取り組む必要があり、そのイノベーティブな部分を担うパートナーがソラコムだと語る。

 両社は、5Gに期待される要素の1つであるモバイルエッジコンピューティング(MEC)にも取り組んでいる。低遅延などの5Gの特性がフルに発揮されるまでには、コア側も含めた移行が進むまで数年かかると考えられる一方、ローカル5Gなどではより早い段階で5Gらしいソリューションが実現できるだろうと期待感を示した上で、「5G時代を支えていくのはIoT、先頭を走っていただきたい」と玉川氏にエールを送った。