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4割値下げの影響やトヨタとの関係は? KDDI株主総会の質疑応答

 KDDIは6月19日、第35期定時株主総会を開催した。2018年度の業績を報告し、5月の決算説明会で発表した新しい中期経営計画やブランドスローガンなどについて説明した。本記事では、質疑応答で寄せられた株主からの質問を紹介する。

“4割値下げ”で本当に業績を伸ばせるのか?

KDDI 代表取締役社長 高橋誠氏

 株主からは、官房長官の発言に端を発する政府主導の“4割値下げ”の動きについて、主軸となる通信事業に与える影響を考慮した上で果たして同社の計画通りに業績を伸ばしていけるのかという質問があった。

 代表取締役社長の高橋誠氏は、auでは既に2017年に分離プランを導入しており、5月に発表した新プラン導入による影響は限定的であることを説明。決算説明会でも説明された通り、分離プラン導入以前との比較ではNTTドコモと同様に年間4000億円の値下げとなるが、すでに3000億円規模の還元を済ませた計算で、新プランによる追加還元は年間1000億円ほどとなる。

 その上で、通信事業以外の領域、ライフデザイン事業を発展させることで成長させていく姿勢を見せた。

“2年縛り”はどうなる?

 総務省の有識者会合など一連の報道を受けた「2年縛りは無くなるのか」という質問に対し、取締役執行役員専務の東海林崇氏は、改正電気通信事業法や省令案では期間拘束のある契約そのものが禁止されるわけではないことを説明した。

 5月に改正電気通信事業法が成立し、総務省令で詳細なルールを決める段階にある現状に触れ、決定に基づいて必要な対応を行っていくとした。

大株主・トヨタ自動車はなぜソフトバンクと手を組んだ?

 トヨタ自動車は出資比率・持株比率ともに2位となるKDDIの大株主だが、MaaS(Mobility as a Service)事業のためのソフトバンクとの合弁会社、MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)を2018年10月に設立している。このことについて、株主からは「なぜKDDIに話がなかったのか?」との質問が挙がった。

 取締役執行役員専務の森敬一氏は、トヨタとの関係に変わりはなく重要なパートナーであるとした上で、KDDIもトヨタや他の企業と話を進めていると回答。また、高橋社長はトヨタのコネクテッドカー向け通信サービスにはKDDIが携わっていると補足した。