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KDDIとJAL、5Gの28GHz帯でタッチレス搭乗、8K伝送の整備支援など実証実験のデモを披露

 日本航空(JAL)、KDDI、KDDI総合研究所の3社は、5Gを活用し搭乗ゲートの簡素化や整備支援を行う実証実験を実施した。3月18日には実証実験の内容がデモンストレーションの形で報道関係者に公開された。

 実証実験の内容は3月13日に発表されており、関係者がすでに実施済み。18日にはデモンストレーションの形で報道陣に披露され、JALとして最新の通信基盤に取り組んでいく方針なども語られた。

28GHz帯を利用するタッチレス搭乗ゲート

概要
28GHz帯に対応したタブレット
デモ用チケットアプリ
タッチレス搭乗ゲート。天井部のアンテナからゲートに沿う形でビーム状の電波を照射し、端末の移動を把握、低遅延でゲート側に情報を伝達する
天井部の5Gのアンテナ
リュックの中に入れていても通過できるというデモ
通過するデモ
ETCのように自動的にゲートが開いた

4K解像度の映像を用いた整備作業の遠隔業務支援

概要
遠隔で指示する側。タッチペンでリアルタイムに指示を書き込める
5Gのアンテナ
作業現場側。手元を映している映像に遠隔で指示が入る
ヘルメットに装着したカメラで視界を共有するタイプも

8K解像度の映像を用いた同一拠点内での整備作業支援

概要
静止画だけでなく8K映像を整備側に伝送、一次チェックや問題の早期の発見につなげる
撮影した自由視点映像を拡大、4K解像度と比較

 3社は2018年11月にも5Gを活用する実証実験を実施していたが、この時は一般の利用者に向けた内容だった。今回の実証実験では、搭乗ゲートについてはさらに精度を高めたものを用意する一方で、機体の整備で5Gの高精細映像や高速伝送、低遅延の特徴を活かすなど、業務の運営側での活用を模索しているのが前回と異なる点になる。

 ARを含めた遠隔で機材の整備を支援する取り組みでは、低遅延化が進めば、将来的には羽田空港と地方空港の整備場をつないだり、海外の空港と接続したりすることも視野に入っているという。

 また8K映像で機材を複数アングルから撮影・伝送し、自由視点映像として細部まで確認できる取り組みでは、一次チェックがこの画像でできるのではないかと、実現の可能性が高いことにも触れられている。

 総じてIT化、AI対応などが遅れているという業務・運営側は、今後は整備以外の部門を含めて、IT化や、実用化を目指した取り組みを進めるとしている。

日本航空 執行役員 イノベーション推進本部長の西畑智博氏
KDDI総合研究所 代表取締役所長の中島康之氏