ニュース

「LoRa」を活用し山間部の送電設備をリモート監視する実証実験

ドコモ、東京大学、東北電力が連携

 NTTドコモ(以下、ドコモ)は、東京大学、東北電力と協力のうえ、東北電力が所有する福島県内の見通しが悪い山間部で、山間部におけるLoRa電波の到達距離や、LoRa電波を使ったデーター送受信の可否を確認する実証実験を11月16日~12月21日に実施する。

 LoRaは、長距離のデーター通信や低消費電力の特徴を持つ通信ネットワークであるLPWA(省電力広域無線通信技術)の一つで、実証実験ではドコモのLoRa専用の親機と子機間の放射型データー通信技術(以下、LoRaWAN技術)と、東京大学が2017年に新たに開発した、LoRa専用の子機同士でデーターを中継伝送する通信技術(以下、LoRaマルチホップ技術)を利用した無線通信を行う。

LoRaWAN技術のイメージ
LoRaマルチホップ技術のイメージ

 東北電力では、送電鉄塔や送電線などの設備監視にあたって、現在は目視による現場パトロールを行っており、山間部に設置されている送電設備の場合、現場の移動までに多くの移動時間を要する課題がある。

 これを解決するために、LoRaを活用し山間部の現場から電力センターなどの遠隔地へ送電設備の状況に関するデーターを伝送することで、遠隔地からでも送電設備の状況確認が可能となるため、パトロールに伴う現場への移動が不要になるなど、送電設備の監視に係る業務の効率が期待できるという。

 実証実験では、3GやLTEがエリア外となる見通しが悪い山間部においてドコモの「LoRaWAN技術」および、東京大学の「LoRaマルチホップ技術」をそれぞれ活用し、LoRa電波の到達距離を確認するとともに、同電波を使ったデーター伝送の可否について検証を行う。