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KDDI、IoTで熱中症を防ぐ実証事業

Smartfit

 KDDIと沖縄セルラー、倉敷紡績(クラボウ)は、IoTスマートウェアを用いて熱中症のリスクを低減する実証事業を沖縄県で開始する。

 クラボウは、着用者の生体情報を取得できるシャツ型スマートウェア「Smartfit」を開発し、これを用いた作業現場でのリスク管理を支援するシステム「Smartfit for work」を2018年5月から提供している。主に建設業や運送業などにおいて、従来は困難であった職種や作業環境が異なる作業員それぞれの熱中症リスクを把握できる。

 今回の実証事業では、全国平均より気温や湿度が高いとされる沖縄特有の暑熱環境に合わせ、より現地の環境に適した熱中症リスク管理に役立つシステムの構築を目指す。

 大米建設とサンワコムシスエンジニアリングの協力により、KDDI那覇ビルの解体工事やau基地局の工事を担当する作業員が「Smartfit」を5カ月間着用。

 Smatfitを着用した作業員のバイタルデータは、Bluetoothで接続したスマートフォンを経由して収集される。気象データとともにサーバーに蓄積し、作業員ごとの暑熱環境下での作業リスクをリアルタイムに評価する。評価結果は、各作業員が持つスマートフォンの専用アプリ上で確認できる。管理者用のタブレット端末では全員の状況を確認でき、作業員ごとのリスクを正確に把握することで、早期の熱中症予防に役立てられる。

 また、実証事業を通して得られたデータは、匿名化のうえで沖縄県と共有。県内の熱中症対策に活用していくとしている。