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サムスンが「Galaxy Note9」発表、AI対応とSペンを強化

 サムスンは2018年8月9日(現地時間)、米国・ニューヨークのバークレイズ・センターにおいて、「Samsung Galaxy UNPACKED 2018」を開催し、同社の人気モデルのひとつ「Galaxy Note」シリーズの最新モデル「Galaxy Note9」を発表した。

「Galaxy Note9」。6.4インチのSuperAMOLED(有機EL)ディスプレイを搭載。ホームボタンのナビゲーションキーは画面内表示。ディスプレイの上部にはインカメラなどを内蔵する
背面は従来モデルからカメラや指紋センサーの位置が変更された。指紋センサーはカメラから離れた位置に備えられている
Sペンを取り出すと、おなじみのSペンのメニューが表示され、対応アプリがすぐに利用できる
本体前面はほとんどがディスプレイが占めているため、本体前面からは4色のカラーバリエーションの違いがほとんどわからない。ただし、標準設定の壁紙などは異なる
カラーバリエーションは4色。左から「Ocean Blue」「Lavender Purple」「Midnight Black」「Metallic Copper」

 今回発表された「Galaxy Note9」は、大画面ディスプレイと電磁誘導式スタイラスペン「Sペン」によるペン入力という基本コンセプトを受け継ぎながら、AIによるインテリジェント機能やSペンの強化を図ることで、さらなる進化を遂げた最新モデルになる。

 新モデルではボディカラーごとにSペン本体のカラーが違っており、スクリーンオフメモ(画面オフメモ)で書いたときのカラーもペン本体の色に連動する。たとえば、Ocean Blueの本体にはYellowのSペンが付属しており、スクリーンオフメモで書くと、初期設定では黄色い筆跡で手書き入力ができる。Sペンは本体下部に格納され、ワンプッシュで取り出せる構造も継承している。

Sペンはボディカラーごとに異なるカラーのものが装着されており、SペンによるスクリーンオフメモではそれぞれのSペンのカラーで手書き入力が可能

 ボディは従来の「Galaxy Note8」のデザインを継承し、左右両端を湾曲させたデュアルエッジスクリーンを搭載する。上下のベゼルのデザインも基本的には同じで、ボディ周囲のフレームはダイヤモンドカットを施し、光沢感のある美しい仕上がりとなっている。

 端末本体の右側面に電源ボタン、左側面に音量キーとBixbyキー、下部にUSB Type-C端子と3.5mmイヤホンマイク端子を備える。SIMカードはピンを挿して取り出すトレイを上部に備えており、nanoSIMカードを利用する。

 ホームボタンは従来モデルのGalaxy Note8や、今年発表されたGalaxy S9/S9+同様、ディスプレイ内に表示する仕様となっており、基本的なユーザビリティは変わらない。

右側面は電源キーのみを備える
左側面には音量キー(上部側)とBixbyキーを備える
下部にはUSB Type-C外部接続端子、3.5mmステレオイヤホンマイク端子を備え、Sペンが格納されている
上部にはピンで取り出すタイプのSIMカードトレイを備える。nanoSIMカードに対応する

Sペンにはアプリ操作のリモコン機能も

 Sペンは、従来モデル同様、手書き入力などは電磁誘導方式が利用されるが、新たにBluetooth 5.0に対応することで、リモートコントロールなどの機能が利用できるようになった。

 たとえば、後述するデスクトップモードなどを使い、プレゼンテーションを行なっているときは、Sペンのボタンを押して、次のスライドに移動したり、二度連打して、前のスライドに戻るといった操作ができる。Sペンのボタンを長押しして、カメラを起動できるほか、カメラのリモートシャッターとしても利用でき、二度連打でインカメラとアウトカメラの切り替えも可能。YouTubeなどのアプリも再生と停止、次の動画へのスキップなどの操作ができる。

 これらの機能はサードパーティ製アプリが開発できるように、SDKが公開される予定。また、SペンはBluetoothの動作のため、バッテリーが内蔵されており、本体に40秒間格納しておくことで、30分間の利用が可能になる。

設定画面のSペンのメニュー内に「Sペンリモコン」のメニューが用意されている
SペンリモコンのメニューではSペンのボタン長押しで起動する操作やアプリの操作などを設定することができる
イラストなども描くことができるSペンの手書き入力は従来モデルから根強い人気を持つ

新冷却システム搭載、DeXモードはスタンド不要に

 ゲームを長時間プレイしたときなど、高負荷がかかる環境では、熱対策が重要になるが、Galaxy Note9では新たに開発した「Carbon Cooling System」を搭載することで、従来よりも効率のいい放熱を可能にする。チップセットのパフォーマンスと熱対策については、AIベースのアルゴリズムでも調整されるなど、ハードウェアとソフトウェアの両面において、快適な環境で利用できるようにしている。

 また、従来モデルやGalaxy S9/S9+などが対応していたDeXモードが進化し、外部接続のUSB Type-C端子と外部ディスプレイをHDMIケーブルを接続するだけで、マルチウィンドウ表示が可能なデスクトップモードを起動できるようにしている。Galaxy Note9のディスプレイをタッチパッドのように利用できるほか、通知パネルから動作モードを切り替え、Galaxy Note9の画面をそのまま外部ディスプレイに表示するミラーリングモードにも対応する。

カメラ、生体認証

 カメラは、メインカメラの配置が少し違うものの、構成は基本的にGalaxy S9/S9+のものを継承しており、12MピクセルのイメージセンサーにF1.5/F2.4の絞り可変機構を搭載した標準カメラ、12MピクセルのイメージセンサーにF2.4のレンズを組み合わせた望遠カメラを搭載し、共に光学式手ブレ補正機能を搭載する。また、インカメラは8MピクセルのイメージセンサーにF1.7のレンズを組み合わせる。

カメラの仕様は基本的にGalaxy S9+を継承しているが、レイアウトが異なる。中央部が絞り可変機構を搭載したカメラ

 カメラを活かす機能として、Galaxy S9/S9+で搭載された「AR絵文字」が強化されており、Galaxy Noteシリーズならではの手書き入力に対応する。

 カメラの新機能としては、AIを利用したシーン認識に対応する。雪景色のSNOW、花のFLOWERなど、合計20種類のシーンに対応しており、それぞれの認識した被写体に合わせた最適な設定で撮影される。たとえば、ひまわりを撮るとき、AIで「FLOWER」と認識されると、カラーや精細感などが変更される。また、人物を撮影するときの目つむり検出、被写体のブレ補正、HDR、LiveFocusなどにも対応する。

 生体認証は指紋認証、虹彩認証を利用したインテリジェントスキャンに対応しており、背面の指紋センサーはGalaxy S9/S9+と同じように、カメラの下側に位置が変更されている。

 その他の機能では、本体にAKGのチューニングによるステレオスピーカーを搭載し、ドルビーの音響技術「Dolby Atmos」にも対応しており、映像コンテンツなども臨場感のあるサウンドで楽しむことができる。

主な仕様

 ディスプレイは従来モデルよりも0.1インチ大型化した6.4インチのSuperAMOLED(有機EL)を採用し、最大2960×1440ドットの表示が可能。本体とSペンは従来同様、IP68の防水防塵に対応する。

 チップセットはクアルコム製のSDM845(Snapdragon 845)で2.8GHz+1.7GHzのオクタコア、もしくはサムスン製Exynos 9(Exynos 9810)で2.7GHz+1.7GHzのオクタコアを搭載する。チップセットなどの構成は販売する国・地域によって異なる。

 モバイルネットワークは4×4 MIMOの搭載などにより、受信時最大1.2GbpsのGigabit LTEに対応し、Wi-FiはIEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠となっている。

 メモリーとストレージは、グローバル向けモデルでは、RAM 6GBとROM 128GB、RAM 8GBとROM 512GBのモデルがラインアップされる。microSDメモリーカードは最大512GBに対応しており、ROM 512GBのモデルに装着したときは、パソコン並みの最大1TBのストレージを利用できる。OSはAndroid 8.0が搭載される。

 本体には従来モデルよりも21%大容量となる4000mAhのバッテリーを搭載し、ワイヤレス充電にも対応する。

 ボディは大きさが161.9×76.4×8.8mm、重さが201gとなっている。カラーは「Midnight Black」「Metallic Copper」「Ocean Blue」「Lavender Purple」の4色がラインアップされる。ただし、発売される国・地域によって、カラーバリエーションは異なる。

 今回発表されたGalaxy Note9はグローバル向けの発表であり、国内販売などについてはまだ何も発表されていない。ただし、Galaxy Noteシリーズは従来からNTTドコモとauが継続的に取り扱っており、この秋冬商戦向けに投入されることが予想される。