横顔からも分析できる表情認識AI、KDDI総研が開発

　KDDI総合研究所は、従来技術よりも広い角度から人の表情を分析できる表情認識AIを開発したと発表した。

　今回開発されたAIは、機械学習技術「多角適応型モデル制御技術」によるもので、さまざまな方向を向いた顔に対して表情認識が可能であることを特徴としている。

　2段階の機械学習モデルによって構成されており、第1段階では人の顔を検出した上でその向きを判定する。第2段階では、第1段階で判定した顔の向きに応じたモデルを元に、表情を認識する。

　同社によれば、既存の表情認識技術と比較して、斜めを向いた顔や片目しか映っていない状態の顔に対しての認識精度で上回るとしている。また、処理の効率化や軽量化にもつながり、クラウド上への画像送信などを伴わないIoTデバイス上での単独動作も可能とした。

　同技術の利用シーンとしては、手元を見る機会の多い業務など、顔の向きが正面から逸れることのある場面、あるいは複数人の同時認識などが挙げられている。

　今回の開発成果は、スマートフォン向けのアプリやIoTデバイス、宅内ロボットなどでの活用を目指すとしている。