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KDDI総研、ニュースなどから会話が広がる「雑談対話型AI」

 KDDI総合研究所は、時事的な話題を取り入れた対話を可能とする「雑談対話型AI」を開発したと発表した。

 スマートスピーカーやチャットボットに用いられている既存の対話型AIでは、音楽の再生操作や、天気予報の確認などの特定の動作を実行させる機能に加え、対話の場面を拡大するための工夫として雑談を行う機能を有したAIもある。これについて、同研究所では「あらかじめ準備されたシナリオのみに基づいた対話のため、話題が少なく、日常生活において対話型AIの利用が浸透しているとは言えない」と分析する。

 「雑談対話型AI」では、ソーシャルメディア解析技術に基づく時事話題対話エンジンを活用し、利用者の興味関心に合致したニュース、およびニュースに対する利用者の反応を収集し、最新の話題を取り込んだ雑談対話を実現している。また、時事的な話題以外の日常対話シナリオを補うため、クラウドソーシングによって質の高い対話表現を大量に蓄積。これらを組み合わせることで、時事話題から派生した人間同士の世間話のような雑談を続けることができる。

 同研究所では実験を行った結果、政治やスポーツなどの話題に対し、既存の対話型AIよりも長く、一貫性のある対話が続けられることを確認したとしている。

 今回開発された技術は、今後、スマートフォン向けのアプリやスマートスピーカー、宅内ロボットなどでの実用化を目指す。