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個人や企業の駐車場をシェアリングサービスで有効活用、ソフトバンクが開始

Yahoo!カーナビと連携できる機能も

 ソフトバンクは、企業や個人が所有する駐車場や空きスペースをドライバーに貸し出すパーキングシェアサービス「BLUU Smart Parking(ブルースマートパーキング)」を10月下旬より開始する。最初は企業が所有するコインパーキングなどの駐車場予約から開始され、個人宅の空きスペースの予約は順次、拡大予定。8月20日をめどにベータ版のトライアルをiOS版アプリで開始する。Android版アプリは今秋対応予定。アプリは無料で、各駐車場の利用料金が必要。

Yahoo!カーナビと連携して駐車場まで道案内する機能を搭載

 同サービスはソフトバングのIoTプラットフォームを活用している。車両の入出庫を検知できるセンサーを利用し、企業や個人が所有する駐車場や遊休地を活用できるサービス。

 駐車場の予約は1分単位の「時間単位の予約」と「1日単位の予約」がある。予約をするには、アプリの地図上の青く表示されるフラグをタップし駐車場を選択する。フラグには利用料金が表示され、利用時間を入力することで予約が確定される。予約した時間よりも早く利用を終了する場合はアプリの「利用中駐車場」から「チェックアウト」をタップすることで利用した時間分の料金が決済され、利用終了となる。アプリで、検索から予約、決済まで完結するようになっている。

地図上で駐車場選択
駐車場選択後の予約時間設定。右下にYahoo!カーナビのアイコン表示され、タップすることで道案内される
利用中駐車場から予約時間の変更、チェックアウトができる
チェックアウト後の決済画面

 また、Yahoo!カーナビとの連携機能に対応する。時間選択の画面上にYahoo!カーナビのアイコンが現れ、タップすることでYahoo!カーナビが立ち上がり、予約した駐車場までの道案内される。年内にはYahoo!カーナビから直接、駐車場が予約できるようになる。

駐車場に応じて提供される2種類のセンサー

 検知用のセンサーは、車のナンバーを認識できる「カメラセンサー」と磁気で検知する「磁気センサー」が用意される。カメラセンサーは、コインパーキングなどに設置され、カメラでどの車が止まっているかを検知する車番認識と駐車されているかを検知する在庫管理が行える。予約の状態などに応じて表示が変わる表示灯を備える。LTEカテゴリー1の通信方式でIoTPF、サーバ間の通信により遠隔制御される。

 磁気センサーは、個人スペース向けのセンサーで、バッテリーを内蔵し電源が不要。NB-IoTを採用し、約3年間稼働する。配線工事がいらず両面テープでスペースに取り付けられる。ただし、自動車の鉄を検知して車が止まっているか判断をするため、隣の車室との誤検知問題などが出ており、現在開発中だという。

提供される2つのセンサー。磁気センサー(左)、カメラセンサー(右)

 実際に公開されたデモでは、コインパーキングに設置されたカメラセンサーが車を検知し、車番により予約した車かどうか検知していた。

予約が入った状態。センサーに「予約」と表示される
予約された駐車場に駐車された状態。「駐車」と表示される
予約していない車が入ると「×」と表示される。

サービスの登録

 サービスを利用するには会員登録が必要となる。最初に料金の支払いに使うクレジットカードや駐車時の認証のための車のナンバーなどを登録する。決済の方法は、アプリ内で登録したクレジットカードか、Tポイントで決済が可能。他の決済プラットフォームは、サービス開始時には対応しないが、今後対応できるよう検討しているという。

HELLO CYCLINGと協業し、需要を可視化をするプラットフォーム

 また、ソフトバンク傘下のOpenStreetが運営するHELLO CYCLING(ハローサイクリング)との協業も発表された。目的地の近くまで車で移動、パーキングシェアリングで駐車し、近くの駐輪場からシェアサイクルを利用してもらうことで“ラストワンマイル”までのモビリティを提供する。

 協業により双方の利用データや流動人口データなどをもとにした「Open Space Plattform」を提供する。分析にはAIエンジンを利用し、遊休土地の価値を可視化する。このプラットフォームにより、スペースを貸し出す側に最適なシェアリングサービスを提示していくという。

シェアリングサービスの便利さを知ってほしい

ソフトバンク テクノロジーユニット 技術戦略統括 グローバル事業戦略本部 本部長の北原秀文氏

 ソフトバンク テクノロジーユニット 技術戦略統括 グローバル事業戦略本部 本部長の北原秀文氏は、「日本は民泊やライドシェアなどで法規制の問題があり、シェアリングエコノミー後進国。シェアリングサービスが普及していないため、シェアへの抵抗やなにかあったときの保証の問題などから漠然とした抵抗感を抱えている」と説明。実際に利用してもらうことでシェアリングサービスの便利さを知ってもらい日本でも普及させていきたいという。

 北原氏はこれまでのコインパーキングでは、精算機やロック板の設備が必要で、支払うまでの流れも煩雑であったと説明。設備がカメラセンサーや磁気センサーに変わると1車室当たりのコストも低価格になり、支払いもアプリ内で完結するため便利になるとしている。

 今後は対応する駐車場の数よりも需要があるエリアでのトップになること目標だという。パーキングシェアリングサービスはシェアリングサービスの第1弾であり、今後もシェアリングサービスをさらに拡充していくという。