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電源・配線不要でトイレの「満室」表示するIoT、二条城で実験運用も
スマホ普及や清潔化による個室トイレ利用時間の延長が背景に
2018年2月19日 13:08
金物メーカーのシブタニは、ロームが提供する電池不要・配線不要の無線通信デバイス「EnOcean」を搭載し、電源・配線不要でトイレの施錠・解錠情報を発信するスライドラッチ(トイレの施錠金物の専用受け)「SWITCHSTRIKE AIR(スイッチストライクエアー)」を3月末に発売する。希望小売価格は税別1万5千円。
「SWITCHSTRIKE AIR」は、トイレの施錠金物の受け部に無線通信デバイスが組み込まれており、ドライバー1本で簡単に設置でき、個室トイレの施錠・解錠通知を電源不要、配線不要で無線送信することができる。
トイレ入口や専用アプリで満室表示をすることで、トイレ個室の利用時間短縮による効率化や、長時間利用の検知、ビッグデータ化による利用状況の解析、清掃効率化が見込める。
同製品は既にサンプル出荷が行われており、2月6日よりウイングアーク1stおよび京都市の協力のもと、元離宮二条城の大休憩所内トイレで試験運用が行われている。
製品開発の背景としては、トイレが清潔になり設備が充実したことに加えて、スマートフォンなどのモバイルデバイスが普及したことで、個室トイレが従来より居心地の良い空間となり、1人あたりのトイレ個室利用時間が著しく延びたため、都市部などでトイレを効率よく利用できない問題が発生していることが理由とされる。
製品の導入イメージは独立型とネットワーク型に分類される。独立型では、高速道路などで見られる満室表示などの看板に情報を出力することで、トイレの利便性アップが図られる。ネットワーク型では、遠隔地からインターネット経由で満室表示が確認できるほか、トイレの施錠時間や利用状況を確認することが可能となるが、専用システムの構築が必要となる。