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ファーウェイのゴ・ハ氏が語るフラッグシップモデル「Mate 10 Pro」

 ファーウェイ・ジャパンは28日、日本市場に投入するSIMロックフリーのAndroidスマートフォン「Mate 10 Pro」「Mate 10 lite」と、Wi-Fiタブレット「MediaPad M3 Lite 10 wp」を発表した。

「Mate 10 Pro」
「Mate 10 lite」
「MediaPad M3 Lite 10 wp」

 28日に開催された発表会には、ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏が冒頭に登壇し、ファーウェイの近況やフラッグシップモデル「Mate 10 Pro」を日本市場に投入する意義などの戦略を語ったほか、発表会終了後には囲み取材にも応じ、記者からの質問に答えた。

世界市場で躍進するファーウェイ、日本市場のニーズにも対応

 プレゼンテーションに臨んだゴ・ハ氏はまず、ファーウェイのグローバルの実績を紹介する。ファーウェイはすでに7月の時点で、上半期の累計で7301万台のスマートフォンを出荷したと発表していたが、第3四半期までの合計は、1億1200万台に上った。前年同期比19%増で、スマートフォンの世界シェアは第3位になる。

 同氏は、研究開発への多大な投資が競争力(差別化)の源泉になり、付加価値の高いハイエンドモデルの市場でも大きなシェアを獲得できていると分析している。これは、出荷台数が19%の伸びであるのに対し、売上が30%の伸びであることも裏付けになっているとしている。またこうしたグローバル市場での出荷数の増大はブランド力の向上にもつながっていることを紹介した。

 日本市場では、たとえばBCNが集計する家電量販店とオンラインストアの実売データにおいて、キャリアが販売するスマートフォンを含めた販売台数シェアが4位になったとし、そのシェアは2016年の5.48%から2017年は8.31%にまで拡大したことなどを紹介している。

 SIMロックフリー端末の市場では、さまざまな調査会社のデータで2017年は1位という結果が出ている。またiPadを除くAndroidタブレットの市場では、キャリアの販売モデルやBtoB市場を含めてシェアが1位になったことも紹介した。

 「なぜ日本でこれだけの販売数量を打ち出すことができたか? それは日本のユーザーに認められたから。我々はユーザーの声を非常に重要視しており、日本の、Twitter、Facebook、LINEなどのSNSを含めて、インターネット上のさまざまなコメントを『VoC』(Voice of Customer)としてまとめ、毎日全部、読んでいる。こうした要望に対して、きちんと応えていく。今回、IP67の防水に対応した製品をお届けする。スマートフォンに限らず、タブレットでも対応した。これは日本のユーザーの要望に応えた形だ」とゴ・ハ氏は語り、フラッグシップモデルとタブレットで実現した防水性能が日本のユーザーを強く意識したものであることを説明した。

 「Mate 10 Pro」については、ゴ・ハ氏はAIチップセットと防水に対応したモデルであることを紹介し、端末ローカルの機能にAIのパワーを利用できる同モデルが「AI時代の幕開けになる」とアピールした。

目標はグローバル・日本の同時発売、2018年も市場の勢いに寄与

 囲み取材に応じたゴ・ハ氏は、グローバルで同時に発表されていた「Mate 10」ではなく、ハイエンドモデルの「Mate 10 Pro」が日本投入モデルに選ばれた理由について聞かれ、「日本のユーザーのニーズを重視しており、耐水・防塵の要望も多いので、Mate 10 Proを投入する。耐水・防塵性能のモデルは今後も日本市場に優先的に投入していくことになる」と答えている。

囲み取材に応じたゴ・ハ氏

 「Mate 10 lite」の投入意図について聞かれると、「Mate 10 liteは個人的にも気に入っている。ファッション性があり、高級感もあって、狭額縁・全画面のスタイルで、4つのカメラを搭載しているのに、手頃な値段だ。若者にもウケるのではないか。家電量販店でも、店員が非常に売りやすい製品ではないかと思う」とし、性能や価格が高い次元で実現されていることを語っている。

 グローバルでの発表(10月16日)から約40日で、日本市場向けの発表が行われたことに対し、今後は世界同時発売などの展開もあるのかと聞かれると、「Mate 10 Proは、日本は一次展開国に入っていたが、(日本での発表まで)40日かかった。今後はさらに日本での発表までの期間を短くできるよう努力していきたい。ゆくゆくは、グローバルと日本の同時発売も実現したい」と、さらにグローバル発表・発売に近づけていく方針が明らかにされた。

 日本市場ではMVNOの勢いに翳りが見え始めたのではないか、端末販売が影響を受けるのではないか、という懸念に対しては、「第3四半期の販売数でみると、ファーウェイの販売数は増えている。2018年のSIMフリースマホ市場は年間で350万台以上とみているので、さらに成長できると予測している。Mate 10 liteで、早く、簡単に、多くのユーザーを引きつけることに貢献したい」とし、来年もまだ成長フェーズであるとの予測を示している。

 この日、MVNOの「nuroモバイル」から「Xperia XZ Premium」が投入されると発表されたことなどから、日本メーカーもMVNO市場への端末投入を強化していることを指摘されると、ゴ・ハ氏は「実は、日本のメーカーに限らず、海外のメーカーでも日本のSIMフリー市場に参入するところがある、という噂を耳にしている。これは、日本のSIMフリー市場に対する戦略を持っているということを物語っている。競争が激しくなり市場が活性化すれば、最終的に日本のユーザーにとってメリットになると考えている」と語り、ひとまず競争環境を歓迎する立場を示した。

 ゴ・ハ氏はこれまでも、ファーウェイ・ジャパンの目標は「生き残ること」と繰り返してきた。これを踏まえ、来年の目標を聞かれると、「2017年の年初には、SIMフリー市場が大きく発展する元年になると言ったが、今後も勢いが持続し、寄与できると考えている。2018年は、ファーウェイのスマートフォンが、SIMフリーに限らず、すべての販路で、どんどん数を増やしていければと思う」と語り、事業の幅も拡大させさらに出荷数の拡大を図っている考えが明らかにされた。

フォトグラファーやマギーも感心、AIによる最適な撮影

 なお発表会では、各モデルの詳細な解説は、プレゼンターとして登壇したアナウンサーの皆藤慎太郎氏が務めた。また、AIによるカメラ撮影機能では、ゲストとしてフォトグラファーの久高将也氏が登壇し、撮影者が意図するような最適な露出で、自動的に撮影できる様子が紹介された。

 さらに後半には、特別ゲストとしてマギー、青木裕子の二人が登場。「Mate 10 Pro」のインカメラを使ったセルフィーで、自然な配光で背景ボケもしっかりとした、印象的な写真が簡単に撮影できる様子が紹介された。

フォトグラファーの久高将也氏が、驚きの“AI撮影”を語った
青木裕子(左)とマギー(右)が登場、セルフィーの背景ボケや自然な配光、それが手軽に撮影できる点に感心していた
こちらはステージ上の様子をメインカメラで撮影した写真