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ファーウェイ「Mate 10 Pro」、日本で12月1日発売

 ファーウェイ・ジャパンは、SIMロックフリーのAndroidスマートフォンのフラッグシップモデル「Mate 10 Pro」を12月1日に発売する。価格は8万9800円(税抜)。ボディカラーのラインナップはミッドナイトブルー、チタニウムグレーの2色。予約は11月28日から開始されている。

 「Mate 10 Pro」は、「P10 Plus」などのPシリーズと双璧をなすMateシリーズの、最新のフラッグシップモデル。ビジネスユーザーをより強く意識したのがMateシリーズで、グローバル向けにはドイツで10月に発表されていた。この際、「Mate 10 Pro」の初期展開エリアには日本が含まれていることも明らかにされていた。ドイツで同時に発表された「Mate 10」と比較して、「Mate 10 Pro」はディスプレイが6インチで18:9の有機ELになるなど、ハイエンドモデルという位置付け。

 背面は曲面処理のGorilla Glassとフィルムを組み合わせて5層構造にするなど、細部までこだわった、大人びたデザインに仕上げられた。また、待望の防水・防塵性能(IP67)も実現した。

AIの処理に対応するチップセット、大容量のバッテリー

 最大の特徴は、AIプログラム専用の処理を行う「NPU」(Neural-network Processing Unit)を搭載した、ファーウェイ独自のチップセット「Kirin 970」を採用した点。また、これに対応するユーザーインターフェース「EMUI 8.0」が搭載されることで、クラウド上ではなくローカルでAI処理を可能にしている。NPUにより、AIプログラムの処理はパフォーマンスと電力効率が従来モデルより格段に向上するほか、AIでシステムが最適化され、使い始めの高速なレスポンスが長期間続くと謳う。

 オープンなAI開発環境を採用しており、サードパーティ製アプリも、AI処理を組み込むことで高性能化させることができる。

 Mateシリーズの特徴でもある大容量バッテリーは、4000mAhの容量を搭載。ヘビーユーザーでも1日以上、標準的な利用なら約2日間利用できるとしている。30分で58%まで充電できる「HUAWEI SuperCharge」に対応。安全性への配慮として、600回の急速充電や気温-33度での充電など、さまざまな環境で充電を行いクリアした「TUV 安全急速充電システム認証」を取得している。

カメラ

 ライカとの協業によるダブルレンズカメラは、どちらもf1.6の明るいレンズが搭載される。1200万画素のRGBセンサーと2000万画素のモノクロセンサーの構成で、画素数は同じだがPシリーズとは異なるセンサーを採用する。レーザー、デプス、コントラスト、像面位相差からなる「4-in-1 ハイブリッドフォーカス」のほか、2倍のハイブリッドズーム、光学式手ぶれ補正(OIS)に対応する。

 カメラの処理は、独自設計のデュアルISP(画像処理プロセッサー)で行われ、高速レスポンス、高速フォーカス、顔・物体に対応するマルチレベル動体検知の「動体撮影」、ノイズ低減とローライトシナリオ検出に対応する「ローライト撮影」を可能にする。

 さらに、1億枚以上の画像を学習させたAIで、リアルタイムの被写体認識とインテリジェントな自動撮影設定に対応している。AIが認識できる被写体およびシーンは、文字、フード、舞台、青空、雪、ビーチ、犬、猫、夜景、日の入り・日の出、植物、ポートレート、花の13種類。AIが物体やシーンを認識すると、ファインダーの左下に対応するアイコンが表示される。

PCモード、翻訳アプリ

 「PCモード」を搭載しており、PC用ディスプレイなどに接続してマルチタスクやマルチウィンドウの環境で利用できる。ディスプレイとの接続は、端末のUSB Type-C端子からディスプレイのDisplayPort端子に変換ケーブルで接続する。端末上に表示されるキーボードを利用したり、端末の画面をタッチパッドとして利用したりすることもできる。

 マイクロソフト製の翻訳アプリをHUAWEI向けにカスタマイズして搭載しており、端末のAI処理により最大300%高速化され、50以上の言語を即座に翻訳できる。翻訳の入力は、音声や文字、撮影した写真、対話型の音声入力の4種類に対応する。

 ハイレゾ音源の再生機能として、384kHz/32bitまでの楽曲データの再生をサポートしている。また、BluetoothではaptX HDやLDACがサポートされている。

主な仕様

 ディスプレイは約6インチ、2160×1080ドット、18:9、402ppi、NTSC比112%、コントラスト比7万:1、HDR対応のOLED(有機EL)「HUAWEI FullView Display」。

 チップセットは「Kirin 970」で、2.36GHz×4(A73)と1.8GHz×4(A53)のオクタコア。Mali-G72で12コアのGPUと、AI処理専用のNPUも搭載する。メモリー(RAM)は6GB、ストレージは128GB。OSはAndroid 8.0、ユーザーインターフェースはEMUI 8.0。

 ダブルレンズカメラは1200万画素RGB+2000万画素モノクロのセンサーで、どちらもf1.6のレンズを搭載。4-in-1 ハイブリッドフォーカス、2倍のハイブリッドズーム、光学式手ぶれ補正、デュアルLEDフラッシュに対応、4K動画撮影が可能。インカメラは800万画素で、f2.0。

 国内での最大通信速度(理論値)は下り最大500Mbps、上り最大50Mbps。最大3波のキャリアアグリゲーションがサポートされる。対応バンドは、FDD-LTEがバンド1/2/3/4/5/7/8/9/12/17/19/20/26/28/32。TDD-LTEがバンド34/38/39/40/41(2545~2655MHz)。W-CDMAがバンド1/2/4/5/6/8/19。TD-SCDMAがバンド34/39。GSMが850/900/1800/1900MHz。

 SIMカードスロットはNanoSIMカードスロットが2つで、デュアルSIM・デュアル待受(DSDS)に対応。どちらのスロットもVoLTEに対応(DSDV)しており、発売当初はソフトバンク網のVoLTEがサポートされる。

 Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n/ac。Bluetooth 4.2に対応しており、高音質な音楽再生機能としてaptX、aptX HD、LDACがサポートされる。

 背面に指紋認証センサーを搭載。GPS、加速度、環境光、気圧などの各センサーが装備される。

 IP67等級の防水・防塵性能を備える。なお、浸水による損傷は製品保証の対象外となる。

 外部端子はUSB Type-C(USB 3.1)で、DisplayPort 1.2に対応している。NFCに対応、赤外線リモコンもサポートされている。

 なお端末本体には、3.5mmのイヤホンマイク(ヘッドホン)ジャックおよびmicroSDカードスロットは搭載されない。

 製品パッケージにはUSB Type-C端子に接続するハイレゾ対応イヤホン、USB Type-C端子を3.5mmのステレオミニジャックに変換するアダプターが同梱される。またクリアケース、ACアダプター、USBケーブルも同梱される。

 バッテリー容量は4000mAh。急速充電の「HUAWEI SuperCharge」の仕様は、5V 2A、5V 4.5A、4.5V 5A。大きさは約74.5×154.2×7.9mm、重さは約178g。ボディカラーはミッドナイトブルー、チタニウムグレーの2色。

 「VIPサービス」が付属し、購入から90日間以内に発生した画面破損は、1回に限り、無償で修理が可能。