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NTT Com、MVNO初の「eSIM」実証実験

 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、登録情報を遠隔で書き換えられるSIMカード「eSIM」の実証実験を開始した。標準化された仕様に基づいた実証実験としては、日本のMVNOで初めての試みとしている。

 「eSIM」は、SIMカードに登録されているキャリアや電話番号、契約内容といった通信に必要な情報(通信プロファイル)を、無線ネットワーク経由で書き換えられる仕組み。eSIMをデバイスに組み込んで、出荷する国にあわせた通信サービスを設定したり、土地に応じて安価なキャリアを選んだりといったように活用できる。産業機器向けの「M2Mモデル」とスマートウォッチなどのデバイス向けの「コンシューマーモデル」の2種類の方式で標準化されており、NTT Comはその両方の検証を、日本と香港にあるeSIMデバイスを使って行う。

 実験では、NTT Comが香港でフルMVNOとして運営しているプラットフォームをベースに、無線による通信プロファイルの書き換え(遠隔SIMプロビジョニング)に対応。「M2Mモデル」では、通信事業者がeSIMのプロファイルを制御する一連のオペレーションを検証する。「コンシューマーモデル」はエンドユーザーが任意のタイミングでキャリアと契約し、eSIM搭載デバイスを利用開始するという想定で、通信プロファイルのダウンロードから有効化までのオペレーションを検証する。

 また、eSIMの機能として追加できる技術の検証もあわせて実施される。例えば、SIMを挿すだけでセキュアな通信を実現する技術などがeSIMの機能として組み込めるという。なお、実験で活用されるNTT ComのeSIMは、日本、香港をはじめとした世界の約40カ国・地域で通信が可能としている。