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auが考えるVRとは? 担当者が語るキャリアとVRの関係

au SHINJUKUではHTC Viveで体験デモも

 KDDIは、VR(Virtual Reality)に関連した取り組みや今後の方針を解説する説明会を開催した。合わせて、直営店である「au SHINJUKU」にて、6月11日~12日に「HTC Vive」を使ったVRコンテンツの体験デモを提供することも明らかにした。

 KDDIは5月19日にVRコンテンツや簡易VRゴーグルを提供する「ハコスコ」に出資すると発表している。また、スタートアップ支援の「KDDI ∞ Labo」では過去に、VRコンテンツをスポーツや体験型アトラクションとして手掛ける企業を支援したこともある。

 最近では、「Galaxy S7 Edge」の予約ユーザーにVRゴーグルの「Gear VR」をプレゼントするキャンペーンが非常に好評だったとしているほか(同キャンペーンはドコモのGalaxy S7 Edgeでも実施された)、北米で開催された「SXSW2016」にはKDDIとして出展、HTC Vive用のVRコンテンツを制作して披露し、現地のクリエイターの反応を探るなどしている。HTC Viveは、ルームスケールと呼ばれる、一定の空間の中での動きをまるごと捕捉できるシステムが特徴になっている。

 「au SHINJUKU」にて、6月11日~12日に開催される体験デモでは、このSXSWで披露されたHTC Vive用のコンテンツ「Linked-door」を体験できる。KDDIが開発したコンテンツ「Linked-door」は、着信のあった相手に会いに行くため、(実際に歩いて近づき)ドアを開けると、まったく違う場所が世界につながっており、相手とのインタラクションを楽しめるというもの。

KDDIが開発したVRコンテンツ「Linked-door」

 ではなぜ通信キャリアがVRに注目し、手がけていこうとするのか。KDDI 商品企画部長の松田浩路氏は、「体験の共有のひとつとして、VRがある。今はテキストや写真、動画だが、やがて空間そのものが(VRとして)送れるようになる」と、VRコンテンツがコミュニケーションに幅広く利用できるとする。

 また、将来的には、現在のHTC Viveのように高性能なパソコンとセットで利用することなく、モバイル機器だけで利用できるようになると予想したほか、そうしたモバイル機器では、キャリアとして今後提供する「5G」が重要になるとした。

 一方で、今はまだ普及に注力する段階であり、「とにかく体験していただきたい」と、形態を問わず“VR体験”を広めていく段階という認識。前述の「au SHINJUKU」での体験デモも、まずは高性能な機器で未来を感じて欲しいという観点から開催されるものとなる。

 ビジネスの面では、KDDI 戦略推進部長の江幡智広氏からも解説され、ハコスコへの出資の経緯などが語られた。江幡氏は、ビューワー、コンテンツ、配信プラットフォームの3つがうまく回りだすと、多く人に提供できる、とした上で、KDDIとしてまずは体験できる機会を増やしていくこと、KDDIのオンラインショップや店頭の販売網との連携、コンテンツ制作でも関わっていくなどの方針が示された。コンテンツの制作を支援する環境やツールの提供も検討していくとしている。