インタビュー
arrows Fit&arrows M02開発者インタビュー
なぜ富士通はミドルレンジのスマホを開発したか
(2015/10/23 12:00)
常にフラッグシップ級の高性能モデルを提供してきたイメージのある富士通だが、今シーズンはハイエンドの「arrows NX F-02H」に加えてミドルレンジの「arrows Fit F-01H」を開発。さらに、SIMフリーモデルの「arrows M02」の販売も発表された。ラインナップが拡大した感のあるarrowsシリーズ。その理由について、富士通 ユビキタスビジネス戦略本部 モバイルプロダクト統括部 第一プロダクト部の影長宜賢(かげなが・きよし)氏にお話を伺った。
目指すは値頃感のある「ちょうどいい」「ちゃんと」したスマホ
――富士通のスマートフォンは今シーズン3機種が発表されたわけですが、まず発売の始まったarrows Fit F-01Hの開発コンセプトについて教えて下さい。
影長氏
弊社はフラッグシップモデルをずっと提供していたわけですが、フラッグシップまでいかなくても快適に操作できるモデルが、手頃な価格で提供できる時代になってきた、というのがあります。お客さんのほうも最先端にこだわる人ばかりではなくなり、ちょっと使ってみたいけど値段が高いのでもう少し安くならないか、というニーズも出てきました。そこで必要にして十分、普通に使えればいいという人向けに商品を企画することにしました。
過不足が無いスマホと言っても、“不足”があってもいけないし、“過”の部分はコストに反映されますから難しいところです。ちょうどいいスマホ、それがまさに「arrows Fit」という名前にも表れていて、「お客さんにピッタリ」という直球の意味を込めています。
――arrowsシリーズは今シーズンからロゴが変わりましたが、そのあたりも理由があるのですか?
影長氏
スペックが高いこと、自慢ができることよりも、使っていての気持ちよさ、心地よさを重視する、「感性価値」を重視する時代に入ってきました。その中で端末だけでなく、ロゴも含めて強く訴求していこうと変えました。これまでの大文字「ARROWS」は最先端、フラッグシップの尖った格好良いイメージを体現していましたが、今度の小文字ロゴは柔らかいイメージを持たれると思いますね。
――そういった意識はarrows Fit本体のデザイン自体にも反映されているのですか?
影長氏
そうですね。arrows Fitはお値頃感のあるモデルになっていますが、だからといって安っぽく見えてもいけない。正面から見るとよく分かりますが、スクエアなフラッグシップと差の無いデザインになっています。しかし、横から見たり、手にとると分かりますが、手に当たる部分には丸みがあり、硬さの印象、心地よさを、形や使っていて気づく部分で表現しています。
――カラーバリエーションはいかがでしょう。最初からこの色と決めていたのでしょうか?
影長氏
いえ、これは本当にたくさんの色を検討したなかで決めました。色だけでなく、艶の出し方一つとっても多くの比較を行って考慮しています。とくにkuroとshiroに関しては、できるだけ嫌いな人が出ない仕上げを選んでいます。
たとえばkuroはもっとテクスチャーをつけたりといった処理ができますが、それが好きな人がいる一方で、その模様を嫌がる人も出てきます。kuro、shiroは定番色ですから、周りから勧められたときに、まず見る色です。そのときにちょっとした表面のクセで嫌がられたり、「ちょっと嫌だけど」と思いながら我慢して使われるのは避けたかったんです。保守的と思われるかもしれませんが、万人受け、嫌われない色を目指しています。指紋も目立ちません。
ただ、本体のカラーリングを全部抑えた色にすると、つまらない印象を抱かれてしまいます。そこで本体のトップ(頂部)に特殊な塗料を使い、kuroなら黒真珠、shiroは雪が降り積もった新雪のイメージ、といったその塗装でしか出せない光り、深みを出しています。
――kuroとshiroはマットな質感ですよね?
影長氏
そうです。akaとmidoriは光沢でトップはメタリック。こちらは「この色がいいな」と思ってもらえるものを選んでいます。akaはarrows Fitのメインカラーとして推していますし、midoriも過去のARROWSで若い人や感度の高い方に人気のある色です。
――midoriは夏モデルのARROWS NXで採用されていたIris Greenにも似ていますが、意識しているのですか?
影長氏
Iris Greenを意識したというわけではないのですが、結果的にとても良い色に仕上がり、富士通の定番色のように見てもらえるかもしれないな、というのは考えましたね。
――shiroは指紋センサーも白色になっていますね。
影長氏
shiroだけはカラーに合わせていますね。指紋センサー周りのリング部分も、これまでは抑えた色になるよう処理を施していたのですが、arrows Fitではキラリと光る金属色になり、少し高級感が出ているのではないかな、と思います。
ミドルレンジのスマホを発売した理由
――これまでハイエンド志向だったのが、今回はミドルレンジのスマホも出されました。いつ頃から検討していたのですか?
影長氏
企画自体は常に検討していて、出していないモデルもあるのですが、このarrows Fitの形で考えたのは昨年末からですね。
――ミドルレンジのモデルが具体化したのはMVNO向けのARROWS M01や法人向けのARROWS M305/KA4を昨年出して、手応えをつかんだから、というのが大きいんでしょうか。
影長氏
それはありますね。格安SIMや格安スマホがかなり浸透してきましたから。ただ、実際に格安スマホを使ってほしいユーザーに広まっているかというと、まだそこまでには至っていない。フィーチャーフォンを使っているけどスマホに興味がある、だけどスマホって高そうだし、“なんとなく不安”でブレーキがかかっているお客様がいる。そんな方も「スマホにしてもいいかな」とそろそろ思えるはずで、その受け皿になるちょうどいいスマホを提供できるタイミングかな、と考えました。
――実際の販売価格はドコモ側が決めているわけですが、今回とくに注目されているのが機種変更時の実質価格ですね。かなりお得感があります。開発時から意識されていたのですか?
影長氏
そうですね。arrows Fitの発売時期がちょうどツートップや型落ちのスマホが安く売られてから2年以上経つということで、それらを使っていた方が買い替えるのを意識はしています。それから長くフィーチャーフォンを使っていた方が迷いに迷って、ついにスマホデビューする、そんなときにこれくらいの価格帯なら、と思ってもらえるようなスマホをとは考えていました。
――そう考えると、もっとコンパクトにしてもよかったのでは?
影長氏
arrows Fitは5インチの画面サイズですが、たとえば今までのスマホから画面サイズが落ちるとダウングレード感がありますし、画面サイズが小さいと文字が見えにくいという意見があるので、5インチがいいのでは、と思います。指紋センサーも搭載していますし、安くてもちゃんとしたものを出す、という点は大切にしています。
――具体的に「ちゃんとしたもの」について方針みたいなものはあったのですか?
影長氏
開発陣の中で「ちゃんとしたスマホ」という定義を作ったのですが、1点目は「ちゃんとした道具である」こと。普通に見やすい、使いやすい。サクサク気持ちよく動くということですね。突然発熱したり、フリーズしたり、再起動しない。きちっと動く。2点目は「電池持ち」。外で使うものですから電池切れが心配で使えないなんてことを無いようにしたい。arrows Fitは3日の電池持ちを目標にしました。3点目は「壊れにくい」、安くても丈夫であることですね。さらに加えて「セキュリティ」をしっかりしたい。
――指紋センサーですね。
影長氏
はい。と言っても生体認証の認証率といった深い話ではなくて、たとえばお客様が面倒くさいからロックをかけない、パスワードを忘れてしまった、といったことがあるわけで、それがセキュリティのネックなわけです。しかし、パスワードを一人で10個も20個も使う時代ですから、それをすべて覚えて、というのは難しい。arrows Fitならパスワードマネージャーが搭載されているので、パスワードを記録し、指1本で解除できる。本体のロックの解除も指を使い自然な操作でできる。そうすればスマホを落として友達の連絡先を誰かに知られるなんてこともない、そんな基本的なセキュリティをきちっとしよう、ということなんです。
――ドコモの発表会でも生体認証やFIDO認証(生体認証を使うことで、ユーザー名やパスワードを使わないオンライン認証技術)をdマーケットで活用していこう、という話をしていましたし、生体認証は今後のオンラインマーケットでは必須という考え
でしょうか?
影長氏
そうですね。パスワードがどんどん作られていく中で、それらを全部覚える、という仕組みは現実的には破綻していると考えています。パスワードマネージャーと生体認証を使いセキュリティをチェックするというのは自然な流れかな、と思いますね。
――ただ、パスワードを一度記録してしまうと、自分でパスワードを入力することが無くなり、パスワード自体忘れることが心配です(笑)。2年ごとに買い替えするケースも多いわけで。
影長氏
それはありますね(笑)。パスワードマネージャーの情報は、SDカードにバックアップができるので、今後も弊社のスマホを使っていただければ引き継ぐことができます。それが一番安心ですね。
arrows M02が新たに取り入れた「Leaf UI」
――続いてMVNO向けに提供されるarrows M02についても伺いたいのですが、面白いなと思ったのが独自のUIを搭載しているところです。これはarrows Fitには入っていないんですか?
影長氏
「Leaf UI」のことですね。これはarrows M02のみに入っていますね。arrows Fitは「docomo LIVE UX」と、弊社が長く採用しているカスタマイズしやすい「NX!ホーム」と「シンプルホーム」の3つです。ただ、arrows FitでもLeaf UIを使ってみたいという方がいたらダウンロードして使うことはできますよ。
――Leaf UIを見ていると、最近MVNOでよく見かける中国系メーカーのスマホが採用しているような、アプリ一覧の無い、アプリを全部ホーム画面に展開するUIに近いように思えたのですが、そのあたりは意識されていたんですか? そもそも、ああいったUIはiPhoneがあるからだとも思うのですが……。
影長氏
なるほど。ただ、他社さんを意識したというのは無いんですけどね。そもそもLeaf UIを検討するにあたって、スマホが初めて、不慣れだからといって、フィーチャーフォンと同じUIにして良いのか、というのがまずありました。フィーチャーフォンのメニュー方式のUIをそのままスマホに持ってきても、たくさんアプリがあると、どこにどのアプリがあるのか見つけにくいですから。
――たしかにたくさんアプリがあると分かりにくいですね。
影長氏
それに初心者と言ってもフリック操作くらいは分かるし、みんな実際にタッチパネルでそういった操作をしたい。だから、もう少し洗練されていて、分かりやすく、初めての人でも迷わず使える、というのを目指してスタートしたんですね。そこで左右のフリック操作だけでなんでも見られるようにしよう、と。さらにAndroidを使っているのだからウィジェットを活かしてカスタマイズできるようにする。これはiPhoneには無い楽しみの一つですからね。そして、従来のシンプルホームと同じように、電話を使いやすくするため、Leaf UIの左画面には常に通話の履歴を表示するようにしています。何をしていても電話帳をすぐに呼び出せるようにしています。
――機能面を見るとarrows M02には指紋センサーがありません。
影長氏
主にコスト面で指紋センサーを搭載していませんが、パスワードマネージャーは使えますから、紙のメモ帳にパスワードを書いて記録なんてことをしなくても管理ができます。そういった基本的なところは抑えています。
――arrows M02をベースとして法人向け端末も新たに出るのかな、と思っていたのですが、実際のところどうなんでしょう?
影長氏
それは現在考えていないんですよ。arrows M02は、あくまで一般コンシューマー向けのモデル。というのも、法人向けは特殊な要求で使われるので、現在出している法人向けのARROWS M305/KA4がそういった要求に応えられるのです。たとえば電池を交換するといったことですね。法人のニーズというのは、毎年新機種を出してほしい、ではなく「同じものを出し続けてほしい」なんですよね。
――先日の御社の発表会のあとに、MVNOのmineo(ケイ・オプティコム)がarrows M02の導入を発表し、auネットワークで使えることをアナウンスしていました。まさかとは思いますが、ドコモ版のarrows Fitも同じ仕様、なんてことはありませんよね?
影長氏
はい、それはありません。
――最近は訪日外国人による爆買いが話題になっているので、中国向けのTD-LTEに対応しておけば人気が出るかもしれませんが(笑)。
影長氏
そこまでは考えていませんでしたね(笑)。
――ところでarrows M02のカラーはBlackとWhite以外に、mineoには「Pink」が加わっています。これはたくさん注文すればそんなオリジナル色にも臨機応変に対応していただけるということでしょうか?
影長氏
そうですね。いろいろ条件があるのですが、ある程度まとまった数を求められれば、ターゲットユーザー向けのカラーもできる限り対応したいと思っています。
――MVNOごとにAPNのプリセットや起動画面が変わったりするんでしょうか?
影長氏
それももちろんやっていますよ。これもまた条件があるのですが、ある程度まとまって発注していただければ。
MIL規格対応だけど見た目は普通な「細マッチョ」
――arrows Fitとarrows M02の両方に共通しているところを伺います。MIL規格を他社も含め始めてきましたが、もともと防水で業界をリードしてきた富士通が、さらに一歩MIL規格に踏み込んできた、というのはどういった狙いがあるんでしょう?
影長氏
先ほど“ちゃんとしたもの”を提供したい、と述べましたが、その「ちゃんとしたもの」をどう伝えるかと考えたときに、一つの表現手段としてMIL規格というのがあるのかなと。従来から弊社の社内試験は見方によってはMIL規格より厳しい場合もあるくらいの内容だったので、MIL規格相当のスマホは過去にもあったんです。ただ、その試験内容を言葉で伝えるのは難しかった。それならMIL規格の認証をきちんと受けて、それを表現手段として使っていこうと考えました。
――ではMIL規格の認証を受けるために特別なことをしたわけではない?
影長氏
昔から厳しく作っていますからね。MIL規格のために何か大きく変わったというわけではありません。
――過去に発売された他社のMIL規格対応のスマホを見ていると、どれもバンパーを付けていたり、いかにもゴツイ感じがします。今度のarrowsを見ると、見た目は普通のスッキリしたスマートフォンですよね。
影長氏
それも狙いで、一番タフなスマホが欲しい、というお客さん向けに開発したわけではないんですね。過去の弊社の防水対応端末もそうです。いかにも頑丈なアウトドア系防水というわけではなく、普通の格好をした防水端末の開発を進めてきました。それは防水が当たり前の機能になる時代がくるだろう、というのを予測していたからです。
今回のMIL規格対応も、山登りや釣りをしている人のためだけでなく、都会で普通に暮らしている人にも、と思っています。見た目はそう思えないんだけど、中身はしっかりしている、我々は「細マッチョ」と呼んでいます(笑)。
――しかし、このデザインで頑丈さを実現するとなると苦労もありそうですが。
影長氏
そうですね。たとえばディスプレイの縁部分は盛り上がっていて、直接画面が触れないようにデザインしています。この縁が無ければサイドに曲面的なコーナーを施すデザインにもできたでしょうし、そのほうが美しいという人もいたと思うんです。ですが、その結果、スマホを落としたときに画面が割れたら、「そういうデザインなんですから仕方ないですね」となってしまう。そのようにお客さんを突き放したく無い。だったら最初から画面が割れないように工夫をしておきたい。
だから本体のデザインも縁が盛り上がっていることが前提で作られていますし、背面もウルトラタフガードという擦れに強いコーティングを施しています。それはコストを考えるとお金がかかっているんですけど、ここは必要という判断です。フラッグシップのarrows NX F-02Hになると、さらに曲げ耐性のため素材にもこだわっていますし、薄くて折れるんじゃないの? というところこそさらに強いんです。
――今後御社が出されるスマホはMIL規格対応なのですか?
影長氏
基本そう考えています。
――MIL規格以外の機能で共通している部分はどこでしょう?
影長氏
フラッグシップモデルに搭載されている虹彩認証など、一部の機能は非対応となりますが、それ以外のUIや操作性では基本同じように使えると思います。カメラはスペックの違いもありますが。
――やはりarrows Fitやarrows M02のミドルレンジの価格帯のスマホに虹彩認証を搭載するのは難しいんでしょうか?
影長氏
今のタイミングでは価格とのバランスを考えるとまだ早いですね。ただ、少しずつコストが下がっているので、いずれ搭載できるかもしれません。生体認証は、いかに自然な操作の中で認証できるかが肝心で、虹彩認証は画面を見るだけでよいのですから、指紋センサーよりもワンランク上の認証のしやすさだと思っています。価格さえこなれていけば、ミドルレンジも含めて全機種に搭載ということも十分視野に入ってきます。
――最近、富士通が先行して採用している機能や技術、たとえば指紋センサーもそうですし、スライドディスプレイや、らくらくスマホのハプティクス技術など、そういったものを他のメーカーが御社を追うかのように採用しています。実際のところ、どう思っているんでしょう?
影長氏
なんと答えていいか(笑)。う~ん、自分たちの目の付けどころが良かったし、正しい方向だったのだと証明されているのかな、とは思いますね。あとはチューニングや見せ方の違いで、そこが上手い他社さんもありますし。
――次はプライバシーモードあたりを追っかけてくるんじゃないか、と勝手に予想しているんですが(笑)。
影長氏
どうなんでしょうね(笑)。他社さんのことは分かりませんけど、ただ日本と違って海外ではプライバシーモードのような機能はあまり受け入れられない、みたいな話もあるようですよ。実際のところは分かりませんが。
――arrows Fitやarrows M02は本体サイズも似ていますね。
影長氏
ベースのモデルは同じなんですよ。だから2モデルのサイズ感も共通です。5インチという画面にしましたが、問題は本体の幅です。幅70mm前後で許容度が大きく変わるんですね。そこで弊社としては5インチで防水、なおかつ本体の幅を69mm、正確には68.9mmとスリムに抑えました。
――当然、狭額縁と。
影長氏
はい、しかし防水で、縁が盛り上がっている、それでも狭額縁にするとなるとハイレベルな製造技術が要求されます。ですが富士通ではずっと狭額縁で防水というのを続けてきましたから、技術の蓄積があり、コストは多少かかったものの、ここは実現しようと行いました。
――ディスプレイに有機ELを採用したのはなぜなんでしょう?
影長氏
コストと画質のバランスをとったときに、できるだけ高画質のものをと考えると有機ELとなりました。非常に発色が良い関係で、思っていた以上に高精彩で、静止画、動画を見るときにかなりキレイに感じる画面ができたなと思っています。解像度はHDなのですが、現在のスマホの解像度はフルHDが主流で、さらに高解像度のものも出ています。しかしHDのほうが処理画素数が少なく、CPUへの負担が少ないというメリットがあります。これがひいては電池持ちにも影響してきます。
――arrows Fitとarrows M02の差は?
影長氏
arrows Fitには指紋センサー、ドコモさんのUI、ロゴマークもドコモさんのマークになっていたりしますね。互いの白色の端末を見ると分かるのですが、ディスプレイの縁を見ると、arrows Fitは縁が白い、arrows M02は縁が黒いといった細かい差はあります。
――詳しくは別途インタビューさせていただければと思うのですが、フラッグシップのarrows NX F-02Hとの位置づけについても教えてもらえますか。
影長氏
基本的に夏のハイエンドモデルであるARROWS NX F-04Gの後継機種です。CPUを変更しましたし、虹彩認証もさらに良くなっています。ですが、もっとも訴求するのはやはりMIL規格ですね。トップ部分もハードアルマイトになっていますし。MIL規格はarrowsのこの冬のメインテーマになりますね。デザインの美しさにこだわりつつ、脱いでもすごいよという(笑)。
今冬はarrows Fit、arrows M02、そしてarrows NXと3ラインナップで広いユーザーを対象にしています。とくにarrows Fitの提供で、スマートフォンに興味がありながらも横目で見ていた、あるいはそこまで必要は無いとご自分で判断していたり、周りに止められていた人たちにも手に取ってもらえると思います。便利で楽しいスマホの世界を味わってもらい、意外と使えるじゃん、と周りの人にさりげなく自慢して同世代の人にオススメしてもらえると嬉しいですね。
――ありがとうございました。