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虹彩認証、MIL規格をサポートする「arrows NX F-02H」

 NTTドコモの2015年冬モデルである「arrows NX F-02H」は、富士通製のAndroid 5.1搭載スマートフォン。MIL規格をサポートしつつも、外見はタフネス性をアピールするものではなく、日常生活のなかで安心して利用できるスマートフォンとして提供される。

 また、富士通のスマートフォンブランドは今回より、表記が全て小文字の「arrows」になった。11月下旬に発売される予定。実質価格は、MNP、新規、契約変更、機種変更問わず、4万円台後半。一部の戦略的な端末とは異なり、契約形態によっての差はつけられていない格好となる。

 大きな特徴の1つは、夏モデルで搭載された虹彩認証「Iris Passport」のサポート。docomo IDのログイン、決済などで利用できる。12月からは、新たに始まる「dポイント」にも対応する予定。虹彩認証の方式は変わっておらず、端末上部に搭載された赤外線カメラで行う。虹彩認証利用時には、画面に顔の周囲の映像が表示され、目の位置を合わせるガイドも表示される。

 また、タフネス性能も大きな特徴の1つ。防水・防塵のほか耐衝撃、耐塩水など14項目のMIL規格に準拠する。背面には、ナノテクのグラスファイバーを埋め込んでおり、ボディカラーによって折り目を変えて、外観のアクセントにしている。Iris Greenには衣服の織り柄であるヘリンボーン、Blackにはファイバー、Whiteにはシルクのような柄が施されてあり、立体的に見えるのが背面デザインの特徴となる。

 また、イヤホンジャックのあるトップ面は、ハードアルマイト加工が施され、従来と比べて耐傷性は2倍になった。タフネス性を保ちつつも、大きさは154×75×7.9mmとなり、夏モデルよりも0.9mm薄くなった。重さは約167g。

 約5.4インチのWQHDディスプレイは、IPS-NEO液晶を採用。コントラスト比は従来比の1.5倍で、1500:1となり、黒をはっきりとわかる形で表現する。屋外でも見やすいスーパークリアモード、手で持っている間は消灯しない「持ってる間ON」などをサポートする。

 21.5メガピクセルカメラでは、コントラストオートフォーカスと位相差オートフォーカスを採用し、高速なピント合わせを実現した。現時点での速度は、0.13秒となるが、今後のチューニングによって、より短くなる可能性もあるという。arrowsシリーズは、カメラのユーザーインターフェイスをシンプルにして、複雑な機能を廃してきたが、この機種から露出やホワイトバランスの調整が行えるようになった。

 ユーザーインターフェイスにも工夫があり、本体の画面全体を、下方向にスライドさせ、片手で操作しやすくする「スライドディスプレイ」が搭載されている。従来は下方向にのみ、移動できたが、この機種からは左右に寄せることが可能になった。ジャストシステムのATOKを富士通用端末向けにカスタマイズした「Super ATOK ULTIAS」は引き続き搭載。キーボードを直接なぞって、手書き入力に切り替えることもできる。

 チップセットは「Snapdragon 808」シリーズとなる「MSM8992」(1.8GHz駆動×2、1.4GHz駆動×4)で、6コア構成。3GBのメモリ、32GBのストレージを搭載する。おサイフケータイ、赤外線、ワンセグ、フルセグ、NOTTV、Bluetooth 4.1、Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n/ac)をサポートする。通信機能としては、TransferJetにも対応している。「PREMIUM 4G」対応機種で、通信速度は下り最大225Mbps。LTEの対応周波数は2GHz帯(Band 1)、1.7GHz帯(Band 3)、1.5GHz帯(Band 21)、800MHz帯(Band 19)で、700MHz帯(Band 28)には非対応。SIMカードはnanoサイズ。ボディカラーは、Iris Green、Black、Whiteの3色。

関口 聖

石野 純也