インタビュー
スマホアプリが全部動く、グーグルの新型PC「Googlebook」でさらにわかったこと
【Snapdragon Summit 2026】
2026年9月25日 12:19
米ハワイ州マウイ島で開催されているクアルコムのイベント「Snapdragon Summit 2026」で、グーグルが開発を主導した新型ノートパソコン「Googlebook」がいち早く展示されている。
10月に米国で発売される予定で、日本での登場は未定だが、今やグーグル製品の多くが日本でも展開されていることを踏まえると、遠くない将来、国内でも提供される可能性に期待したいところ。
会場で、短時間ながら実機に触れる機会を得たので、第2報として、すでにお伝え済みの情報を交えてご紹介していこう。また、グーグルやクアルコムのキーパーソンから発せられたメッセージもあわせてお伝えする。
OSの名前は「Googlebook OS」
グーグルがChromeOSとAndroidを統合する計画があることが示されたのは2024年。
ようやく登場した「Googlebook」だが、そのOSに名前はあるのか。開発中のコードネームは「AluminiumOS」だったが、今回、会場であらためて確認したところ、会場の担当者は「Googlebook OS」と明言した。
「スマホのアプリを起動できる」
24日付の記事でお伝えした通り、GooglebookはAndroidとの深い連携が大きな特徴だ。
MacとiPhoneの連携と比べると、WindowsパソコンとAndroidスマートフォンの連携は限界があった。とはいえ、WindowsパソコンとAndroidスマホを使う人もすでに多く存在し、あらためてGooglebookを買いたくなる理由はどこにあるのか。
これにブース担当者は「GooglebookとAndroidスマートフォンを連携させると、トレイにスマホのアイコンが表示される。クリックするとスマホ内のファイルをすべて見られるし、スマホのアプリもすべて起動できる」と語り、Windowsパソコンとの連携よりも強い関係がアピールポイントと説明する。
ちなみに会場展示のGooglebookで、日本の報道陣が文字入力の設定をチェックしたところ、日本語入力もできることがわかった。
「AI時代のノートパソコン」
24日午前のセッションに登壇したグーグルのラップトップ&タブレットエンジニアリング担当バイスプレジデントのプラジャクタ・グダヘ氏(Prajakta Gudadhe)は、クアルコムとの協力により、3つの大きなイノベーションを達成したと語る。
1つ目は、「仮想マシン(PC内で別のOSを動かす技術)特有の動作の遅れが一切なく、ハードウェアの性能を直接引き出せるパフォーマンスの提供」。そして2つ目は「スマホ、タブレット、ラップトップ、その他多くのデバイスによるエコシステム全体で、シームレスな『Better Together』体験を作ること」、そして3つ目は、AIが自律的にユーザーを助ける「エージェンティック時代」に向けて、根本から設計し直されたラップトップを開発することという。
開発は、クアルコムのチップセット(SoC)であるSnapdragonのNPU(AI関連の処理を担うプロセッサー)で、直接動作する、AIの処理やデバイス上の基盤となるAIモデルの標準化から始まった。
これにより、マウスのポインタを振るだけでGeminiを利用できる「マジックポインター(Magic Pointer)」や、話した内容を、より丁寧な表現にするなどマナーやトーンを整えてテキスト化してくれる「Rambler」といった機能の実現に貢献した。
メーカーがカスタマイズできる部分が拡大
今回発表されたGooglebookは、DELLやHPなど複数のメーカーから発売される。一見するとデザインもかなり似通っているような印象だ。
ではメーカーごとにカスタマイズできる余地はないのか――そんな疑問を展示会場のグーグル担当者にぶつけたところ「Chromebookでは厳しく管理されていたが、今回、メーカーに10~12種類ほどの項目で、カスタマイズできるリストを用意している。時間をかけて拡張していく」と語る。
起動画面や壁紙はもちろんカスタマイズでき、Chromebookでは禁止されていたというアプリのプリロード(事前インストール)も解禁された。たとえばメーカーが映像配信サービスと提携して、自社のGooglebookにアプリをプリロードするか選べるという。
一方で、A社のGooglebookを購入した人が、数年後、B社のGooglebookへ買い替えたとしても、一貫した体験を提供できるようにしたいと考えているという。見た目や操作に関する部分で統一すべきところは統一し、独自のカスタマイズもできるよう調整していく。
Intel版との違い
Googlebookには、チップセット・CPUにクアルコムのSnapdragon X Eliteを採用するものと、インテルの製品を採用するものがある。
クアルコムでPC・コンピューティング事業をリードするシニアバイスプレジデントのケダー・コンダップ(Kedar Kondap)氏は、Snapdragon版Googlebookについて「ゲームを含め、アプリは(Android版が)Snapdragon上でネイティブに動作します。バッテリー持続時間も、HPのラップトップは19時間の動画再生が可能だが、x86ベース(Intel CPU)だと13時間と、Snapdragon版のほうが優れている」とアピールする。
ちなみに、Snapdragonシリーズのうち、パソコン向けに提供されるSoCは、「Snapdragon X2 Elite Extreme」なども1年前に発表済みだが、Googlebookは第1世代の「Snapdragon X Elite」が採用されている。
この背景として、コンダップ氏は「数年前からグーグルと協力しており、開発時の選択肢は第1世代だった」と語っていた。










