インタビュー
「Clubhouse」初の日本向け説明会、そこで共同創業者らが語ったこととは
2021年9月30日 15:43
音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」は、9月30日に報道関係者向けの説明会を開催した。
日本国内向けの説明会としては初めての開催となり、同SNSの共同創業者であるポール・デイビソン(Paul Davison)氏とローハン・セス(Rohan Seth)氏、国際部門統括責任者のアーティ・ラママーシー(Aarthi Ramamurthy)氏らが出席した。
説明会の中では、Clubhouseが年内に日本語化とクリエイターの収益化に対応することなどが発表された。本記事では、説明会における質疑応答の様子をお届けする。
――Clubhouseのユーザー数について、日本とほかの国の違いを教えてください。また、ユーザー数の変動はどのようなものでしょうか。
デイビソン氏
毎日それぞれの国でユーザー数を数えているわけではないので、日本のユーザー数に限って申し上げることは難しいのですが、世界で言うと、夏の初めは毎日30万の部屋が開いていました。
そして今、8月が終わった時点でのデータを見ると、その数字は倍以上になっています。
――各ユーザーは毎日平均どれくらいの時間をClubhouseに費やしているのでしょうか。
デイビソン氏
世界で言うと、ユーザー1人あたりの平均時間は毎日70分程度です。日本の数字に関してお伝えすると、夏の初めに101分だったのが、今では113分になっています。
――Clubhouseにとって、日本の市場はどういった位置付けなのでしょうか。
デイビソン氏
日本は私たちにとって不可欠で、重要な国のひとつであると考えています。日本語化や収益化を通じて、日本のコミュニティもさらに大きくなっていくことを願っています。
――今回、日本語化などが発表されましたが、ガイドラインやカスタマーサポートなども日本語になるということでしょうか。
ラママーシー氏
はい、アプリに関するすべてが日本語化される予定です。ローカライズについては数カ月前から準備し、ガイドラインやカスタマーサポート、通知などが日本語化されます。したがって、英語がわからなくてもClubhouseのアプリを使えるようになります。
――日本語も含めて、他言語への対応予定について教えてください。
ラママーシー氏
今のところClubhouseは英語しか対応していないのですが、年末までにいくつかの言語に対応できるようになります。その中に日本語も入っており、私たちにとってプライオリティが高い言語です。
――かつてClubhouseが大流行した時期がありましたが、そうした現象に関しては期待されていたことだったのでしょうか。また、今後もそういう現象が起こるとお考えですか。
デイビソン氏
世界中でいきなりユーザーが増えたので、私たちはとても驚きました。「コミュニティが突然大きくなりすぎると崩壊してしまうことがある」と思っていたので、少しずつコミュニティを拡大しようと計画していた矢先のことでした。
たくさんの人がClubhouseのことで熱狂してくださって非常にうれしかったのですが、私たちのチームとしては、正直準備ができていませんでした。
それから私たちは落ち着いて、アプリケーションの機能を整備することなどに集中しました。日本語への対応など、いろいろな準備ができたので、今後はもう一度流行のようなものが起きても大丈夫だと思っています。
音声SNSは長期的に成長していくものだと信じていますので、今後もベストな音声SNSを提供できればと思っています。
――収益化に関して、具体的にどういった方法を検討されているのでしょうか。米国で実施されている「投げ銭」のようなものも含まれますか。
デイビソン氏
現在、新しいツールを模索しています。ルームに登録したり入室したりするときに料金を払ってもらう方法もありますし、米国で実施している「投げ銭」もあります。
クリエイターの方が開いているルームへの参加者が増えるよう、私たちとしてはサポートしていきたいと思っています。
――海外のクリエイターで、収益化に成功した事例を教えてください。
デイビソン氏
ウォール街で金融関係の仕事をしていたユーザーで、Clubhouseでの収益化に成功したので、仕事を辞めたという方がいます。
ちなみに現在Clubhouseのアプリのアイコンになっている女性はビエラ・マーというコメディアンなのですが、彼女はClubhouseの投げ銭や企業とのスポンサー契約だけで生活できるようになっています。
また、ギタリストの人で、20分程度ルームを開けただけで何百ドルも稼いでいる方もいます。
私たちは「空間オーディオ」などの機能も入れてアプリをアップグレードしていますので、収益化がもたらす効果に関してはとても楽しみにしています。