【ワイヤレスジャパン2014/WTP2014】

スマホにTransferJet、東芝ブースで

動画を撮影

 ディスプレイの高精細化、2000万画素前後のカメラ、4K動画撮影と、最近のスマートフォンで取り扱えるコンテンツは、大容量化が進んでいる。そうしたデータをパソコンや他の機器とやり取りするには、より高速な通信技術が必要だ。そうした場面への解決策の1つとして、東芝ではかねてより近距離のワイヤレス転送技術「TransferJet(トランスファージェット)」の開発を進めている。

 28日に開幕した「ワイヤレスジャパン2014/ワイヤレステクノロジーパーク2014」の東芝ブースでは、スマートフォンの実機を用いて、TransferJetによるデータ転送のデモンストレーションが披露された。

 3月にはサンワサプライからパソコン用のUSBアダプタが登場するなど、徐々に利用できる環境が拡がってきているTransferJetは、4.48GHz帯という高い周波数帯で、広い幅の帯域を使って、スピーディにデータを転送できる技術。数cm程度の距離に機器同士を近づけてデータをやり取りし、その実行スループットは最大375Mbpsとされる。

PCへ転送

 今回のデモは、どうやらTransferJet対応のメモリカードを用いたもののようで、担当者はスマートフォンの外部メモリ周辺をパソコン用アダプタに近づけてデータ転送を披露していた。その場で撮影した動画(約17MB)をパソコンに転送すると、実行速度は約125Mbpsと一瞬で終了した。

 担当者によればスマートフォンへの搭載を目指して活動しているとのこと。またメモリカード型のTransferJetアダプタが今後登場する場合、カーネルレベルでOSに手を加える必要があるとのことで、発売済のスマートフォンでの利用は困難という。

開発中のモジュールも

関口 聖