【ワイヤレスジャパン2012】
「モバイルプロジェクト・アワード2012」表彰式


受賞者のみなさん

 「ワイヤレスジャパン2012」の会場で30日、「モバイルプロジェクト・アワード2012」の表彰式が開催された。モバイルハードウェア部門、モバイルプラットフォーム・ソリューション部門など計4部門で最優秀賞と優秀賞に選ばれた14団体に賞状やトロフィーが贈られた。

 「モバイルプロジェクト・アワード2012」は、モバイル関連の優秀な製品やサービスを表彰する取り組みで、今年で11回目を迎えた。主催はMCFモバイルプロジェクト・アワード審査委員会および一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム。審査は、本誌をはじめとしたモバイル関連メディアの関係者やITジャーナリストらが行った。なお、受賞作品の発表は5月18日付ですでに行われている。

 モバイルハードウェア部門では、「docomo NEXT series GALAXY Note SC-05D」が最優秀賞に選出され、開発者を代表してサムスン電子ジャパンの石井圭介氏が挨拶。日本では今年4月から投入したGALAXY Noteが、平日、土日にそれぞれ2000台前後売れていることを明かしたうえで、「(スタイラスペンの)Sペンと5インチの大画面はアナログとデジタルの融合、複合。タブレットでもスマートフォンでもなく、ノートというジャンルを切り開いていき、秋冬には2号機も目指したい」と述べた。なお、同部門では「AQUOS PHONE SoftBank 104SH」が優秀賞を受賞している。

モバイルハードウェア部門の最優秀賞に選出された「GALAXY Note」の開発者代表 サムスン電子ジャパンの石井圭介氏

 モバイルプラットフォーム・ソリューション部門では、最優秀賞の選出はなく、無料通話、無料メールアプリの「LINE」やタクシー呼び出しアプリの「全国タクシー配車」など、5つの製品・サービスが優秀賞に選出された。LINEのプロジェクトチームを代表して挨拶した、NHN Japanの舛田淳氏は、登場してから約1年になるLINEが、現時点で全世界の3800万のユーザーに使われており、1カ月に500万ユーザーが増加していることを紹介。また、「プラットフォーム部門での賞をいただいたが、現状ではLINEはまだコミュニケーション・ツール。しかし、開発時に思い描いていたのはプラットフォームであり、ようやく世界中で使われるようになってきたので、ツールからプラットフォームに進化していきたい」と決意を語った。

 モバイルコンテンツ部門の最優秀賞に選ばれたiPhone向けゲームアプリの「パズル&ドラゴンズ」からは、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの山本大介氏が挨拶。パズル&ドラゴンズが自身が同社に入社してから初めて作ったゲームであることを明かし、「市場動向に流されず、面白いものを作ろうという、ゲーム作りに対する会社のピュアな考え方に驚かされた。その考えで最初から最後まで作り切れたことが、このような結果に結びついたと思う」とコメントした。

 モバイルを利用して社会に貢献しているプロジェクトに授与される「MCF社会貢献賞」は、昨年は東日本大震災の影響を受けて授与が見送られたが、今回は2プロジェクトが受賞。医療機関をインターネットで結び、すべての救急車にiPadを搭載させた「佐賀県医療機関情報・救急医療情報システム(愛称:99さがネット)」と、「東日本大震災における緊急地震速報」としてNTTドコモとKDDIのそれぞれの開発チームが選出された。

モバイルプラットフォーム・ソリューション部門の優秀賞「LINE」よりNHN Japanの舛田淳氏(左)と、審査委員長の東京理科大学教授 東邦仁虎氏モバイルコンテンツ部門の最優秀賞に選ばれた「パズル&ドラゴンズ」より、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの山本大介氏

 




(鈴木友博)

2012/5/31 11:36