【WIRELESS JAPAN 2010】
mmbiがマルチメディア放送の番組配信デモ、小野寺氏も視察
番組配信 |
写真中央のアンテナから放送波を送出、携帯電話で番組を受信するデモ |
NTTドコモの展示ブースでは、マルチメディア放送(mmbi)が積極的にアピールしていた。
mmbiは、アナログテレビ放送の跡地を利用したVHF-HIGH帯を利用した携帯向けマルチメディア放送の事業化を目指す企業。ワンセグ放送の流れをくむISDB-Tmm方式を採用し、NTTドコモのほかにはフジテレビや日本放送、日本テレビ、テレビ朝日、TBSら放送事業者が出資している。なお、この周波数には受託事業者として1社が選ばれる予定で、ISDB-TmmとMediaFLOのどちらかから選ばれることになる。
ブースでは、近距離放送波を利用して実際に生番組を配信し、ISDB-Tmm対応の携帯電話でストリーミング受信するデモンストレーションが行われた。ブースにはテレビ放送のようなセットが組まれ、お笑い芸人やレポーターが登場して1日8回番組を生中継する。放送事業者が出資しているということもあり、既存のテレビ放送のような華やかでにぎやかな番組作りが垣間見え、ブースは非常に盛況な様子だった。しかしmmbiは委託事業者からコンテンツを受けて放送事業を行う受託事業者に手を挙げている。来場者からは「委託事業者のようだ」といった声も聞かれた。
また、ISDB-Tmmでは、放送波を利用してコンテンツを受信し、あとからコンテンツを視聴するファイルキャスティング機能も用意される。ブースでは、スマートフォン「Xperia」を利用し、ファイルキャスティングのデモなども実施されていた。なお、こちらは端末にプリセットされた動画コンテンツを用いたもので、実際に放送波は流されていない。今年3月、mmbiはHT-03Aを利用して同様のデモを披露しており、今回、動画視聴のイメージをXperiaで展開した格好だ。
このほか、携帯向けマルチメディア放送対応のさまざまな端末が参考出品された。ファイルキャスティングなどで受信した電子書籍コンテンツなどを、カラー電子ペーパー端末(富士通製、試作機)に転送して利用するイメージや、近接無線転送技術「TransferJet」を使い、モバイル機器側で受信したコンテンツをパソコン側に転送するデモなどが紹介された。
また、マルチメディア放送に対応したモバイルWiFiルーター「ポータブルWi-Fi」を利用し、受信したコンテンツを無線LANで飛ばし複数の端末に振り分けるといった試みも紹介されていた。このほかNEC製のビューアー「Lifetouch」を利用して、マルチメディア放送を視聴するデモが展開された。
14日正午頃には、mmbiのコーナーに基調講演を終えたKDDIの小野寺正氏(代表取締役社長兼会長)が現われ、mmbiの二木治成氏(代表取締役社長)と談笑しながら展示内容を視察する姿が見られた。同様に、KDDIのMediaFLOブースには、NTTドコモの山田隆持氏(代表路取締役社長)が現われたという。
(津田 啓夢)
2010/7/14/ 17:42