【Mobile World Congress 2017】
ZTE、5Gに向けてのインフラ・端末両面での戦略を語る
次期「AXON」のヒントも
2017年2月28日 12:10
スマートフォンなどの端末と基地局などのネットワークインフラの両方を手がけるZTEは、Mobile World Congress 2017の会期前日のプレスカンファレンスで、ネットワークインフラの新製品を発表するとともに、ネットワークインフラ・端末の両方における同社の戦略を解説した。
Pre5Gを提供
ネットワークインフラ側の戦略としては、ZTEのPresident of Strategy and MarketingのXu Ming氏とSenior Vice PresidentのZhang Jianguo氏が、5Gに向けての戦略を語った。
現在のスケジュールだと、2020年ごろに5Gが実用化とされている。しかし、それ以前のタイミングで4Gの規格の中に5Gで使われる要素技術を取り込むのが、ZTEがいうところの「Pre5G」だ。要素技術だけでも先に取り込むことで、4Gのスペックアップができるだけでなく、5Gへの移行の足がかりにもできる。
ZTEではすでに世界30カ国でPre5Gのネットワークを導入している。Pre5Gといっても、どの要素技術を使うかは決まっていないが、なかでもキーテクノロジーとなっているのは、基地局側の送信アンテナに数百個のアンテナ素子を使う「Massive MIMO」だ。ZTEによると、10カ国以上でMassive MIMOを導入済みで、日本でもソフトバンクが昨年9月より商用ネットワーク内に導入している。
ZTEでは今回のMobile World Congressに合わせ、Massive MIMOの第2世代の基地局も発表している。第2世代では容積が4割減となった一方、通信容量は増加し、対応バンドも増えている。ZTEではこうしたPre5Gへの取り組みを引き続き行なっていくことで、5Gの到来に備えているというわけだ。
5Gでダウンロード速度はギガビットクラスに
ZTEのモバイルデバイス担当Vice PresidentのLuo Wei氏は、「5uper Generation: To Infinity and Beyond」と題し、今後の端末側の戦略について紹介した。
Luo氏は初代iPhoneが発表/発売された2007年と2016年を比較する。スマートフォンの販売数は3千万台から14.6億台へと急増し、1人あたりのトラフィック(通信量)も月3MBから月1.2GBへと急増した。
次の10年はどうなるのかという問いに対しては、Luo氏は感情を持ったAIがスマート端末に採用されると予想する。さらにスマートフォンは単なる端末ではなく、スマートエクスペリエンスだとも指摘し、このスマートエクスペリエンスのための3つの要素として、「洗練された製品」と「シームレスな接続」、クラウドやビッグデータなどの「スマートコンピューティング」を挙げる。
こうした考えのもと、次世代のスマートフォンについては、「いろいろなことが考えられるが、よりモバイルコンピューティングの性能を高める必要がある」とし、「Gigabit Phone」のコンセプトを紹介する。
Gigabit Phoneは5GとPre5Gの技術をベースとし、4x4 MIMOや256QAMなどの技術を使って、ダウンロード速度で1Gbpsを実現する。この通信速度により、リアルタイムの4Kビデオ配信や、ローカルストレージのように使えるクラウドストレージなど、まったく新しい体験ができるとする。
さらに同社のフラッグシップシリーズ「AXON」の次期モデルについて、「今日この場では発表しないが」と前置きしつつも、ヒントとなる要素を紹介する。Luo氏はギガビット級の通信速度、AIと最適化されたアルゴリズムによる賢さを持ち、洗練されたデザインを採用すると明かした。