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ソフトバンク、「Massive MIMO」を商用サービスに世界初投入
16日から順次、「5G Project」第1弾
2016年9月8日 14:08
ソフトバンクとWireless City Planningは、次世代の高速通信規格「5G」に向けたプロジェクト「5G Project」を開始する。第1弾として、ネットワークを大容量化するための技術「Massive MIMO」を用いた商用サービスを、iPhone 7の発売にあわせて9月16日から開始する。
「Massive MIMO」は基地局で多くのアンテナを利用し、多くのユーザーの通信を同時に行う技術で、5Gの要素技術の1つとされている。同社は、Massive MIMOの商用サービスへの投入は世界初と説明している。
16日より全国43都市の100基地局からMassive MIMOのサービスを展開する。トラフィックが高いエリアから設置されるため、うち3~4割程度が東京都心部の基地局という。
端末側はSoftBank 4G(TD-LTE互換)をサポートする機種なら、2014年発売の一部機種を除くすべての機種で利用できる。Y!mobileのSoftBank 4G対応端末でも利用可能。
Massive MIMO対応基地局は、1つの基地局に128本のアンテナを搭載しており、端末の位置を計算して複数の角度から電波を当てるビームフォーミング技術によって、安定した通信を行う。特にトラフィックが集中する都市部のエリアで、混雑緩和に効果があるとされている。
同社が都内4カ所で行った実証実験では、Massive MIMOをオフにした時と比較して、平均6.7倍の速度改善効果があったとしている。
5Gの要素技術として3GPPが規格化が進められており、NTTドコモも商用化に向けて実証実験を行っている。
発表会で登壇したソフトバンクの技術統括で務める北原秀文氏(モバイル技術本部 ネットワーク企画統括部 統括部長)によると、同社のMassive MIMO技術は、基本的には3GPPで策定中の規格に準拠しているが、一部にソフトバンク独自のチューニングやノウハウを投入しているという。ソフトバンクにMassive MIMO対応の基地局を提供するベンダーは2社で、詳細は非公開されている。
「5G Project」は2020年に向け順次展開
Massive MIMO導入は、「5G Project」の第1弾として発表された取り組み。
北原氏は5G Projectについて、「5G」が実用化される2020年頃に向けて、ソフトバンクのネットワークを「大容量化」「同時接続の強化」「高速通信」「低遅延」の4つの方向性で強化していくプロジェクトと説明。Massive MIMOはこのうち「大容量化」に分類される。
ソフトバンクが参入した2006年以来の10年間で、同社のネットワークトラフィックは2300倍まで増加したという。北原氏は今後もトラフィックの拡大が予測されることから、5G時代に主流となるような技術を先駆けて投入していくという方針を示した。