【2014 INTERNATIONAL CES】
クアルコム、「Snapdragon 805」や“超音波でメモ”を展示
(2014/1/10 11:52)
Mobile World Congress(MWC)のようなモバイルに特化した展示会とは異なり、CESは一般来場者も多く集まるイベントだ。そのためMWCのような通信関連イベントでは研究成果を披露するクアルコムも、今回は見た目としても、よりインパクトのある展示を行っていた。
スマートフォン関連で目玉となりそうなのが、「Snapdragon 805」の出展となる。「Snapdragon 805」は昨年11月に発表されたスマートフォン、タブレット向けのチップセットで、今冬モデルに多く搭載された「Snapdragon 800」の後継となる。性能を40%強化したGPU「Adreno 420」を組み込んであるのが「Snapdragon 800」との違いだ。会場では、GPU性能をアピールするために「Snapdragon 800」と「Snapdragon805」を比較した動画再生のデモが行われていた。
こうしたSnapdragonの処理能力を生かした、応用技術まで展示されていた。紙に書いた文字をそのままタブレットに映し出すソリューションはその1つ。ペンが超音波を出すことで、XYZ軸を作り出し、それをタブレット側の4つのマイクが検知することで紙に書いた文字がそのまま画面上に反映されるという仕組みだ。たらしこれは製品化を目指しているものではなく、超音波の座標を素早く計算して画面に表示する処理能力の高さをアピールしているという。
「Snapdragon 805」では、「H.265」と呼ばれる動画の圧縮規格もサポートしている。従来と同様の画質でデータ量を1/2に下げることができ、通信ネットワークに“優しい”という特徴が、通信技術に強いクアルコムがこの規格をサポートする理由だ。「Snapdragon 805」では、ハードウェアで「H.265」を処理することが可能となっており、消費電力の下げるメリットがあるという。
2013年9月にドイツ・ベルリンで開催されたIFAに合わせて発表されたスマートウォッチ「Toq」も、ブースに展示され注目を集めていた。Toqは現在、米国のAmazonやクアルコムのオンラインストアで販売されている。ディスプレイに省電力な「Mirasol」を採用しているのが特徴で、画面自体がタッチパネルになっているほか、画面下のバーで左右のフリック操作も行える。画面上のベゼル部分をダブルタップするとバックライトが点灯し、画面下はホーム画面が表示されるというUI(ユーザーインターフェイス)を持つ。スマートフォンとはBluetoothで連携し、着信などの通知を受け取ることが可能だ。
このほか、クアルコムのブースには「Snapdragon」をスマートテレビやセットトップボックス向けに応用した「Snapdragon 802」や、パートナーシップ契約を締結した「フォーミュラE」のレースカーが展示されていた。