石野純也の「スマホとお金」
「Pontaパス」はどれだけおトク? ポイント還元率やローソンで使えるクーポンをじっくり解説
2024年10月10日 00:00
KDDIが、「auスマートパスプレミアム」を「Pontaパス」へとリニューアルしました。元々はアプリの使い放題サービスとして登場した「auスマートパス」ですが、その後、特典を追加した上位プランの「auスマートパスプレミアム」を導入。現在では、保障サービスやセキュリティサービスなども兼ねた、総合的なパックサービスになっていました。
このauスマートパスプレミアムが、「Pontaパス」に代わりました。と言っても、これまでの特典はそのまま。料金も据え置きになっているため、既存のユーザーは単純にPontaパスになったことで追加のサービスを受けられるようになりました。
また、お得感が増したため、未加入のユーザーも改めて加入を検討してみてもいいでしょう。そのメリットをまとめました。
クーポンだけで元が取れるPontaパス、今から契約しても700円以上に
Pontaパスで追加になった特典は、KDDIが共同経営に乗り出したローソンに関連したものが多くなっています。1つ目が、毎月600円ぶん以上というクーポン。これはローソンの「からあげクン」や「マチカフェコーヒーS」といった人気商品を、無料でもらえるチケットです。中には割引もありますが、現状ではタダになるものが多く、お得感があります。
クーポンは週替わりで配信。10月、11月はキャンペーンで2枚増量されており、さらにお得になっています。例えば、10月は現在、マチカフェコーヒーSのクーポンを配布中。15日からの週(1週間は火曜日からカウントします)には、マチカフェコーヒーSに加えてからあげクンのクーポンがラインナップされています。
マチカフェコーヒーSは1杯120円。からあげクンは236円です。 8日からの1週間と、その翌週だけで合計472円ぶんのクーポンが得られる というわけです。22日からの週は、再びからあげクン。合計金額は708円です。キャンペーン期間中ということもあり、うたい文句だった600円以上をサクッと超えています。
Pontaパスの料金は月額548円。いわゆるスマホサービスのオプションに近い価格帯ですが、クーポンを使い切るだけで“元を取る”ことが可能。 普段からローソンでからあげクンやコーヒーを購入している人は、すぐにでも入会した方がいいサービス と言えそうです。少なくとも、10月、11月は簡単に元が取れるような設計になっているため、まずはその実力を体感してみてもいいでしょう。
ただし、クーポンをもらえてお得さを感じるのは、それを使いたいからこそ。言い方を変えれば、商品の魅力に価値が左右されることになります。その魅力の感じ方も人それぞれ。例えば筆者の場合、週数回というかなりの頻度でからあげクンを食しているため、からあげクンのクーポンに関しては価格並みの価値があります。
一方で、コーヒーは自宅だと自分でいれ、職場では最寄りのファミリーマートで調達してくるため、ローソンが入り込む余地がありません。そのため、せっかくクーポンがあっても、あえて使おうと思わなければ消費できないと思います。
甘いものが苦手な人にスイーツのクーポンが配信されても無駄になってしまうように、食品はユーザーごとの嗜好性や行動などに左右される側面があります。人気の商品を選び、お得感を感じるユーザーを最大化している部分はありますが、クーポンだけでは元が取れない場合もある点には注意が必要です。
ローソンでのau PAYは還元率が4倍アップ、dポイントとの比較は?
その意味では、もう1つの特典である 「Pontaパスブースト」の方がより万人受けするPontaパスのメリット になります。通貨と同様、ポイントは“無色”で好みに左右されないからです。Pontaパスという名前のとおり、このサービスに加入すると、Pontaポイントの還元率が上がる仕組みです。還元率上昇はローソンとそれ以外に分かれており、よりお得なのは前者です。
少々ややこしいのが、Pontaパスブーストで 還元率が上がるのは、au PAYでの決済 に対するポイントであるということ。ローソンなどの加盟店ではPontaポイントカードを提示するだけで支払い方法によらずにポイントを貯めることができますが、こちらの還元率が上がるわけではありません。倍率表記は、あくまで、au PAYで支払った際に還元される「0.5%」がどれだけ上昇するかを示している数値であることは念頭に置いておきましょう。逆に言えば、別途ポイントカードぶんのポイントも取得することができます。
まず ローソンの場合、Pontaパスブーストで還元率が4倍 にアップします。通常のau PAYは0.5%還元のため、4倍だと2%。上限は、上昇ぶんの1.5%に対して500ポイントです。ここまでポイントが付与率の高いコード決済サービスはなかなかないため、お得感が高いサービスと言えるでしょう。また、ローソンでは通常0.5%、16時~23時59分までは1%のポイント還元を受けられます。 時間帯によっては、最大で3%のポイント還元 になるというわけです。
ちなみに、同じくローソンが導入している dポイントととの二重取りができない 点には注意が必要です。ローソンはPontaだけでなく、ドコモのdポイント加盟店にもなっており、どちらか一方を選んでポイントを付与することが可能。ポイントカードはdポイント、決済はau PAYと使い分ければ、dポイントとPontaポイントの両方を貯めることができます。一方で、このような貯め方は Pontaパスブースの対象外 になってしまいます。
dポイントは、3カ月間で貯めたポイント数に応じて付与率が上がります。「5つ星」の場合は、2倍に。
ローソンで16時以降にポイントを貯めると、還元率は2%に上がります。この2%とPontaパスブーストの2%を合わせて計4%還元……とならないわけです。この場合だとau PAYの通常還元である0.5%ぶんしかポイントがつかないため、合計は2.5%に。Pontaパスブーストを適用した状態の場合だと、素直にPontaポイントを貯めた方がお得になります。
ただし、dポイントクラブで「5つ星」になっていると、ポイント倍率アップ特典として最大2%還元が受けられるほか、新設されたd払い特典でも最大1.5%還元(dカード特典を除き、au PAYと同条件で比較した場合)を受けられます。わずかですが、Pontaパスブーストを使うよりも還元率が高くなると言えるでしょう。「5つ星」に上がるには、3カ月で5000ポイントという高めのハードルをクリアする必要がありますが、これを貯められるヘビーユーザーには依然としてdポイントの方がお得感があります。Pontaパスは有料サービスなだけに、もうひと頑張りほしいところです。
10月、11月はスタートダッシュ期間、ローソンユーザーの魅力がアップしたPontaパス
もっとも、10月、11月は実際にもうひと頑張りしており、ローソンでのポイント還元率が10倍にアップしています。
率に直すと5%。上限のポイントも、2000ポイントまで上がっているため、より貯めやすくなっています。Pontaポイントカードとの合算では最大で6%に。さすがにここまでの還元率だと、dポイントでは太刀打ちができません。リニューアル記念で一気にお得感を打ち出し、Pontaにユーザーを巻き取っていきたい意思がうかがえます。
一方で、ここまでではないものの、通常の対象店舗でもau PAYの還元率が2倍に上がります。こちらは、率にすると1%。一般的なコード決済サービスがほぼ0.5%で統一されていることを踏まえると、これでも十分な還元率と言えます。ただし、こちらはキャンペーン対象外。また、すべてのau PAY加盟店でポイントが2倍になるわけではない点には注意が必要です。
対象店舗は月ごとに発表されますが、大手チェーンが多い印象。逆に言えば、個人商店のようなところは含まれていません。また、先に挙げた上限の500ポイント/2000ポイント(キャンペーン期間中)は、ローソンぶんとの合算になります。つまり、ローソンだけで還元を受け切ってしまうと、その他の店舗では追加のポイントをもらえないことになります。どちらかと言えば、オマケ程度に捉えておいた方がいいかもしれません。
このPontaパスブーストで500ポイントをもらい切れば、同サービスの月額料金である 548円のほとんどをポイントで“回収”できてしまいます 。10月、11月のキャンペーン期間中であれば、元を取るどころか、月額料金を上回るポイント還元を受けられる可能性も高くなります。あくまで2カ月間限定ですが、“利益が出てしまうサービス”になっているというわけです。
ここに加えて、先に挙げたクーポンを使えば、よりお得になると言えるでしょう。さらに、映画の鑑賞料金割引や、フードデリバリーサービス「MENU」の配達料無料など、直接的に割引の恩恵を感じやすいサービスに仕上がっています。
元々、auスマートパスプレミアムはキャリアフリーのサービスでしたが、Pontaパスにリニューアルし、ローソン特典が加わったことでより他社回線のユーザーが加入するメリットが高まった印象。特に ローソンを多用するユーザーであれば、スマホが他社回線でも契約する価値は高い と言えそうです。