本日の一品

極細になった消えるボールペン「フリクションボール 038」

全10色展開のうち、手にとったのはオレンジ

 ケータイの主流がスマートフォンに移行しつつあり、またウルトラブックやタブレットも普及しつつある現在。印刷する原稿のチェックも、PDFを利用し液晶画面で行うという形式が増えてきたほか、取材でちょっとしたメモもスマートフォンで行う事も以前より増えてきた。

 しかしながら、「紙」というアイテムはライターのような職業には切っても切り離せない重要なものである。予定を書くのも、原稿の訂正を入れるのも、デジタルよりもアナログの方が使いやすい。電源不要、バッテリー必要なし、すぐに情報へアクセスできる……などなど。

 その中で、書き込みをするペンで愛用しているブランドがある。「フリクションボール」シリーズである。そう、ペンの反対側に付いているラバーで擦ると書いた文字が消えることで有名なペンである。筆者も、書いた文字がすぐに消せる手軽さから、普段より利用している(「フリクションボール」単体のレビューはこちらを参照していただきたい)。例えば、原稿の校正などのチェックを行い、必要な部分が完了したらマーキング部分を消すという使い方や、手帳へ殴り書きをした後に、落ち着いたらそれを消して綺麗に書くというものが主である。

 一方で、これまでの製品には少しだけ不満もあった。筆跡がやや太いのだ。ベースとなったのはゲルインキボールペンということで、極細の油性ボールペンと比べるとやや筆跡が太く出てしまう傾向があった。ノートに書く分には良いが、原稿の訂正などで小さくコメントを入れるには少し不向きであった。その場合はわざわざ線をひっぱって余白部分にコメントを書くのだが、それではどこにコメントをしたのか分かりにくい。

 そんな中、先日近所のホームセンターで出会ったのが「フリクションボールスリム 038」である。038という数字はその名の通り、ペン先が0.38mmというもので、0.5mmよりもさらに極細というのが最大の特徴である。今までは0.7mmと0.5mmのフリクションボールを利用していた筆者は、「これならば不満が解消されるかもしれない」という思いでこの「フリクションボールスリム 038」を買ってみたのだが、結果は見事に理想的なフリクションボールに辿りつけたという印象である。

 この「フリクションボールスリム 038」であれば、従来の0.5mmサイズのフリクションボールでも記入が難しかった細かい場所にも記入が可能で、漢字をかなり小さく書いてもきちんと文字として認識できる。それ以外にも、ノック部分が小型化されたほか、ペンのボディ部分も細くなっているので、多数の色を揃えてもかさばりにくいという特徴がある。あくまでスリム化にこだわった商品だということがハッキリと伝わるのである。

 「フリクションボールスリム 038」の登場により、コメントの強調部分は0.7mmを利用し、細かい文字の記入は0.38mmを利用するという使い分けもできるようになったのは大きい。

 ただ、従来製品に付いていた、ペンを指で挟む部分のラバーが省略されているので、長い文章を書くのには向いていない。あくまでもスリム化に絞ったモデルである。極細フリクションボールは、例えば本に書き込む場合や、料金明細に書き込む場合に利用しても良いのかなと思った。

通常のフリクションボール(左)と比べても038(右)はボディが細い
ノック部分には紐を通せる穴があるので、ネックストラップを通して首から下げてもよい
試しにドコモの料金明細に記入してみる。かなり細かく書くことができる
左=0.5mmのペン先、右=0.38mmのペン先
上からフリクションボールの0.7mm、0.5mm、0.38mmで書いてみる。太さが全然違うのがわかる
製品名製造元購入価格
フリクションボールスリム 038パイロット189円

布施繁樹